暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会にまつわる様々な取り組みや人々を紹介する「Our Legacy」で取材した北京パラリンピック金メダリスト、石井雅史さんを紹介しました。

◆Our Legacy「パラリンピック金メダリスト 石井雅史」
訪れたお店で出迎えてくれたのは、店主の石井雅史さん。北京パラリンピックの自転車競技で、金、銀、銅、3つのメダルを獲得した、元パラアスリートです。そんな石井さんがオープンしたお店とは…。
(石井雅史さん)
「車種を問わず、買い物用の自転車から、子どもを乗せる電動アシスト自転車でも、競技用の自転車も含めて、洗車をします」
石井さんが営んでいるのは、自転車の洗車専門店。東京にある系列店で洗車のノウハウを学び、今年3月に夫婦でお店を開きました。
(石井雅史さん)
「やっぱり自転車がきれいだと、気持がすごくあがるんですよね。『これでどこへ行こう』という気持ちにもなる。だから、やっぱり(自転車は)手をかけてあげると、思いを返してくれるものだと思っているので、それが、単なる物とは違うと感じます」
20代の頃、競輪選手として活躍していた石井さん。28歳のとき、国際大会に向けた練習中に、自動車と正面衝突を起こし、生死の淵をさまようことに。奇跡的に一命をとりとめたものの、事故以前の記憶をほとんど失っていました。
(石井雅史さん)
「入院して1カ月、経ってから、外泊を許可されたときに、自分の実家で(事故で)壊れた自転車を見たときに、覚醒してきて、ふわっという風に、その記憶が戻ってきたんですね。そこから、受け答えがはっきりしてきたと言われました。だから、何よりも自転車が私を元気づけてくれたのかなと思います」
言語と記憶に障害が残ったものの、自転車のおかげで、再び前を向くことができた石井さん。障害と向き合いながら、セカンドキャリアを踏み出しました。
そんな石井さん、自身の経験を教訓として伝えるために、ある活動を行っています。
(石井雅史さん)
「最初、蒲田警察署から、小学校で交通事故が多いので、交通安全教室をやってくれないかと(依頼があった)」
以降、都内各所の学校から招かれて、交通安全教室を開き、自身の自己の経験から、ヘルメットの重要性を訴えてきました。
(石井雅史さん)
「壊れたヘルメットを、生徒に見せるんですよ。いちばん奥にいた生徒が、『ださいからヘルメットなんて被らない』と言っていたんですが、彼がヘルメットを持ったときに、『こんな風になっても命があったんですね』と(言った)。それを感じてくれただけでも、全然、違うなと思って」
石井さんが思い描く未来とは…。
(石井雅史さん)
「選手生活が終わってからの方が長いですから、私は、好きな自転車に携われるので、ラッキーだなと周りに言われたんですよ。そういうものをどんどん広げていけたら、特に競輪選手界からは喜ばれるかな。その姿を見せていきたいと思いますね」
パラ選手だけでなく、障害のある人が、それぞれ好きなことを活かして生きていける世界に。石井さんのチャレンジは、始まったばかりです。
好きなことを活かして生きていける石井さんは、とてもいきいきとしていました。
<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/