東京2020大会で日本でただ一人招かれた『ルートセッター』岡野寛さん コースに込めた思いは…

2021.09.17(金)

17:00

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会が開催された東京での様々な取り組み・そこに関わる人々の思いを紹介する『Our Legacy』で、「スポーツクライミング」のコースをデザインするルートセッターの 岡野寛さんを紹介しました。

暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会が開催された東京での様々な取り組み・そこに関わる人々の思いを紹介する『Our Legacy』で、「スポーツクライミング」のコースをデザインするルートセッターの 岡野寛さんを紹介しました。

◆Our Legacy「ルートセッター 岡野寛」

東京2020大会が開催された東京を舞台に行われる様々な取り組みや、そこに関わる人々の思いを紹介する『Our Legacy』。
今回は、この夏、日本中を沸かせた「スポーツクライミング」を陰で支えたスタッフに会ってきました。

訪れたのは、葛飾区東金町運動場スポーツクライミングセンター。
東京2020大会で日本が2つのメダルを獲得し注目を集めた、スポーツクライミングの3つの種目、スポード、ボルダリング、リード用の壁を全て備えた、23区内初の施設として、2020年6月にオープンしました。

そこで作業していたのは、岡野寛さん。
クライミングの壁に、ホールドと呼ばれる突起を設置する、ルートセッターです。

(岡野寛さん)
「初めてクライミングをする人向けにコースを作っていたところです。初めてやる人が、どういう風にがんばって登れるかなというのを想像しながら、このホールドの場所だったり配置だったりを考えて設置していました」

選手や大会のレベルに合わせて、その都度、デザインされる壁。国際資格をもつルートセッターは、岡野さんを含め、日本にまだ6人しかいません。
東京2020大会では、日本でただ一人、ルートセッターとして招かれました。

(岡野寛さん)
「(Q.世界レベルのコースというのは、作るのが難しいですか?)やっぱりレベルが高いですし、例えば、ホールドの角度を1mmとか動かすだけで、登れると登れないの境目を分けるということにもなりますから」

1mm単位で試合展開を演出する岡野さんの壁は、まさに職人技。そこには、ある思いが込められています。

(岡野寛さん)
「ワールドカップで、自分が設定したコースがあったのですが、誰も登れなくて、失敗しちゃったかなと思ったことがあったんですけれど、最期の最後に出てきた選手が、それを登りきってくれて。ただ、その選手も、時間内に簡単に上りきったわけではなくて、何回も落ちながら、だんだんやり方を分かってきて、『もしかしたら、この人は上まで登れるかもしれない』という、会場もそういう雰囲気になってきて、一体感が生まれたのもすごく良かったですね」

選手の限界を引き出し、一人でも多くの人に感動を伝えたい。そこに、一切の妥協は許されません。そんな岡野さんが、ルートを作るうえで心がけていることが…。

(岡野寛さん)
「『こうやって登ると楽しいかな』ということをメッセージとしてコースの中に入れてるんですよね。そういうのを、登ってる人に感じてもらって、『楽しかったな』という気持ちを共有できるようなコースを、今後も作っていきたいと思いますね」

岡野さんが思い描く未来とは…。

(岡野寛さん)
「本当に、クライミングを気軽に、みんなが楽しめるような環境が整ってきて、かつ、クライミングを見て楽しむとか、そういう人たちに、『こういうのができたりして楽しいですよ』とか、ルートセッターとして表現していければと思っていますね」

スポーツクライミングのさらなる可能性を求め、ルートを描き続けます。










<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/

 

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