TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。8月6日(金)放送の特別番組「堀潤モーニングFLAG 夜のZ議会」では、小泉進次郎環境大臣をリモートゲストに迎え、地球温暖化対策からSDGsまでZ世代の論客と幅広く議論しました。
◆ニチバン「セロテープ®」の地球への優しさ
菅首相は昨年10月、所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル(温室効果ガスの排出実質ゼロ)を目指す」と宣言し、今年4月の「気候変動サミット」では2030年度までに温室効果ガスを46%削減すると表明。さらに、政府は7月に公表した「地球温暖化対策計画(案)」で家庭におけるCO2の排出量を66%に削減する目標を掲げています。
まずは番組前半、「温室効果ガス46%削減」、「家庭のCO2削減目標66%」について小泉環境大臣とZ世代が深くディスカッションした後、テーマは家庭から「産業面における取り組み」へ。そこでピックアップしたのがニチバンの「セロテープ®(以下、セロテープ)」です。
実は、地球にとても優しい製品なのをご存知でしょうか。というのも、透明テープの多くは石油由来のプラスチックが主な原料ですが、ニチバンのセロテープは透明な部分は木材パルプ、粘着部分は天然ゴムや松ヤニなどの天然樹脂を使用しており、原材料のほとんどが天然素材。それも発売から70年以上変わっていないと言います。
そのため、他社のプラスチック製品と比較すると燃焼時のCO2排出量は7分の1。仮に日本のテープが全てニチバンのセロテープに変わった場合、CO2は約6,300トン削減できると考えられています。
こうした取り組みに、小泉環境大臣は「みんなで(ニチバンの)セロテープにしましょう。環境省で使っているテープがセロテープなのか確認します。本当に素晴らしい取り組み」ともろ手をあげて称賛します。
◆小泉大臣・Z世代が日常で行っている環境への配慮は?
小泉環境大臣は自宅の電力を再生可能エネルギーにしたり、マイボトルやマイバッグを使ったり、サランラップもシリコンラップやみつろうラップで代用するなど、生活のなかで環境に配慮した製品を積極的に導入。この日着用していたTシャツも洋服をリサイクルして新たな洋服を作る取り組み「BRING」の手によるもので、「政治家なのにYシャツ・ネクタイではないのかと思われるかもしれないが、身を以て少しでもみなさんに気づいてもらいたい」とそこに秘めた思いを明かし、「みなさんが個人で取り組んでいることがあれば聞きたい」とZ世代に質問を投げかけます。
環境活動家の露木志奈さんは、リデュース(Reduce)、リユース(Reuse)、リサイクル(Recycle)の3つの「R」の総称である「3R」を引き合いに、「実はそこに順位があることを多くの人は知らない。何が最も重要かといえば“Reduce”、つまり減らすこと。今あるものをそのまま使っていく大切さ。私はあまりモノを買わず、お下がりや他の人と共有している」と言います。
インスタメディア「NO YOUTH NO JAPAN」代表の能條桃子さんも、「必要な分だけで、できる限りものを買わない。いくら環境にいいモノでもたくさん買ったら意味がない」と露木さんに続きます。しかし、CO2排出という観点でみると「(CO2は)そのほとんどは、私たちが生活しているときに出るのではなく、行動として出てしまうもの」と不可避な部分があることを示唆し、「結局、私がやっているのは石炭火力に投資していない銀行を選んだり、再エネの電気にしたり、学校も再エネにしてほしいと呼びかけたり、そういうことなのかなと思う」と吐露。「今の日本ではCO2の22%が石炭火力から出ているので、そこをゼロにしない限りはみんなが何をしても変わらないのでは」と指摘します。
◆環境大臣として、政策を行う上での戦場は3つ
一方、慶應義塾大学 総合政策学部4年の阿部将貴さんは、環境政策を行う上で政府の理解や党内の意見を取りまとめることの大変さを推し量り、「(小泉環境大臣にとっての)抵抗勢力とは何か、その実像が知りたい」と別の角度から小泉環境大臣に質問を投げかけます。
番組Twitterには「ぜひ経産相と戦ってください」といったツイートも散見するなか、小泉環境大臣は「環境大臣としては戦場が3つある」と言います。それは「省内」、「政府内」、そして「党内」で「この3つの戦場で戦って初めて政策が実現できる」とも。
温室効果ガスの削減に関しても46%という数字の実現にあたっては詳細は控えると前置きしつつ、「大変でした」と苦労を滲ませます。そして、ひとえにそれが実現したのは「総理の力」と明言。
「政府全体に意思を浸透させることができるのは総理。その総理が自らカーボンニュートラルの宣言をし、その思いが今もブレていない。だから今までであれば実現しなかったこの高い目標が実現した」と菅首相の功績を語ります。さらに、今後の温暖化対策に必須の「カーボンプライシング」という取り組みに関しても、菅首相は環境省と経産相がぶつかることなく一緒になって検討すべきと指示を出し、自らもそれに躊躇なく取り組むと発言。「総理の思いがここまでなかったら、気候変動政策の強化は今のようなレベルは実現していない」と小泉環境大臣。
一方で、コロナ禍での対策・対応における菅首相に対する厳しい声が上がってはいるものの、「気候変動とデジタルを政府の主要な議題に位置付けたという点は間違いなく評価していただきたい」と擁護します。
最後に能條さんは、気候変動担当大臣も兼務することになり、環境省と経産相を横断して意見が通せるなど、権限が増したのか。また、たとえ大臣と言えど首相の意向が一番なのか小泉環境大臣に尋ねます。すると「やはり総理に勝る大臣はいない」と返答。気候変動担当大臣とはいえ、できることは限られており「各省庁に必ずやらせるというメッセージの強さ、それができるのはやはり総理の代わりはいない」と話していました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
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