暮らしに役立つ情報をお伝えするTOKYO MX(地上波9ch)の情報番組「東京インフォメーション」(毎週月―金曜、朝7:15~)。
今回は東京2020大会で東京で行われる様々な取り組みや人々の思いにスポットライトを当てた『Our Legacy』、パラリンピアンに出場する選手の義足を作る義肢装具士 沖野敦郎さんを紹介しました。

◆Our Legacy「義肢装具士 沖野敦郎さん」
東京2020大会が開催されているこの夏、東京で行われる様々な取り組みや、そこに関わる人々の思いにスポットライトを当ててご紹介する、『Our Legacy』です。
(キャスターリポート)
「パラリンピックに出場する選手たちが使う、“あるもの”を作っている工房にお邪魔します」
今回、お話を伺うのは、沖野敦郎(オキノ アツオ)さん。
沖野さんがパラリンピアンの為に作っているもの、それは…。
(キャスターリポート)
「工房に入ってみたらズラっと…、こちら、義足ですよね」
(沖野敦郎さん)
「主に、ここに並んでいるのは、膝の下で切断された方が履く、下腿義足というものなんですけども、走る専用の(下腿)義足です」
沖野さんが主に製作するのは、体と義足を繋ぐ、「ソケット」というパーツ。「ソケット」は、他のパーツと違い、人により、大きさも形も異なるため、オーダーメイドとなっています。
(沖野敦郎さん)
「これは、実際に今回の東京パラリンピックに出場される、山本敦選手の足のモデルです。東京パラに向けて、ではなくて、彼は、その先を、もう見ているんですよね。『世界パラ陸上』というのがありまして、それに向けてのものを、もう動き出している」
東京2020パラリンピック陸上男子走り幅跳びに出場する山本篤選手や、陸上女子走り幅跳びに出場する前川楓(マエガワ カエデ)選手など、パラリンピアンたちの義足を製作している沖野さん。
年間で50本も義足を手がけている沖野さんですが、山本選手との忘れられない出来事があるといいます。
(沖野敦郎さん)
「山本篤選手は、私が義足士になるときから関わっているんですけども、一度、作ってみてよって依頼があったんですけど、『こんな汚い義足、履けない』って言ったんですよね。すごくショックで、履いてもらえなかったですね、見た目も一流じゃないと履けないっていう」
選手にとって、義足は、ただの道具ではない。
そんな思いを知り、より細部にまでこだわるようになりました。
そして、5年前、再び、山本選手の義足を作る機会が…。
(沖野敦郎さん)
「自分のできることをやってですね、義足を見せたときに、見て、履いて、感想が『まあまあ』って言ったんですよ。『まあまあ』だから悪くはないと、ちょっと悔しくもあるんですけどね、『沖野さん、これ最高だよ、完璧だよ』って言わせたいんですけど」
義足製作の他に、パラスポーツの普及にも力を注いでる沖野さん。
月に1度、ランニング教室も開催しています。
2016年から行なっているこの教室。子どもから大人まで、自分に合った義足を借りて参加することができます。
(参加者インタビュー)
「ベストが出たから、楽しかったです」
「これはすごく楽しいです、速く走れるので、いつもより」
沖野さんが思い描く未来とは…。
(沖野敦郎さん)
「義足のユーザーさんがたくさん来られるんですけど、全員が全員、パラリンピックに出て金メダルとりたいってわけでもないんですよ。人によってもっている目標が違うんですよね。『こういったことがしたい』って言われたときに、『それ、できません』とか『やったことないんで無理です』って言いたくないので、なんでもできるように、自分の知識や技術を広げていきたい。『義足になってしまったから〇〇ができない』ってことをなくしたい」
誰もが目標に向かって走れる未来へ。
パラスポーツの可能性を拡げます。
関連リンク
https://www.sports-tokyo-info.metro.tokyo.lg.jp/staff/detail/2
https://para-tokyo2020.tokyo/
<番組概要>
番組名:東京インフォメーション
放送日時:毎週月―金曜 7:15~7:20
キャスター:久保井朝美、中村美公
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/tokyoinfo/