TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。6月15日(火)放送の「フラトピ!」では、スマホの写真でわかる“Z世代の特徴”を紹介しました。

◆10代後半が自分や恋人よりも見ていたいものは?
今回、Z世代の特徴を紹介してくれるのは、データ分析などをもとにした生活者研究と未来予測に取り組む専門家、NewsPicksのプロピッカーで博報堂生活総合研究所 上席研究員の酒井崇匡さん。「私たちはいろいろなデータを分析しているが、スマホのなかにどんな写真が保存されているのかというデータは非常に面白く、Z世代のなかでも特に10代後半に面白い傾向が表れている」と言います。
まずはiPhoneユーザーの写真アプリに入っている人物の割合。つまりどんな人の写真や動画を保存しているかを世代別に調査したものを見ると、20代前半・後半は「自分」が多く、30代前半になると「その他」。これは主に家族の写真ですが、10代後半は何なのか。20代前半・後半、30代前半は揃って4位となっていますが、10代後半で43.3%を占めるのは「推しの有名人」。
そこには芸能人をはじめ、SNSのインフルエンサーやスポーツ選手などの著名人も含まれており、「(著名人は)最近は自分の日常や考え方などを幅広く、頻繁に発信している。そういう情報に触れることが多い10代後半に彼らが大きな影響を与えていることがわかる」と酒井さん。実際にZ世代の意見を聞いてみると、「推しの写真だけで300枚ぐらい」(18歳・女性)、「(保存している写真の)半分以上は(推しの写真)。ずっと見ていたい」(14歳・女性)といった声がありました。
この風潮に、キャスターの堀潤からは「“推し”という言い方は独特。“好き”とは何が違うの?」という疑問が。これにZ世代であるキャスターの田中陽南は「私のなかでは、“好き”はリアルの恋愛として好きな人。“推し”は違う世界の、尊いみたいなイメージがある」と持論を述べると、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんも「応援したいみたいな感じ」と言います。
◆加工は必要なし…Z世代に重要なのは世界観
また、その他にもZ世代ならではの特徴があるそうで、それは「Instagramのプロフィール写真」。酒井さんは「10代後半のZ世代は、自分の正面でキメた写真よりも後ろ姿や顔を隠した写真など、顔が特定されない写真をプロフィール写真に使うことが多い」と指摘します。
その理由について、当初プライバシー意識が関係していると思っていたそうですが、調べてみるとそうではなく、盛っている自分やキメている自分を見せるのが恥ずかしい、後ろ姿などのほうが雰囲気や世界観を作りやすいといった意識があると分析。さらに「フィルターや加工を駆使して自分の顔をかわいく盛って見せるより、Z世代は背景など空間を含めた雰囲気、世界観で自分らしさを表現することがトレンドとしては支持されている」と解説します。
街頭で、Z世代にInstagramのプロフィール写真に何を使っているのか聞いてみると、「髪色。髪の毛のアレンジや髪の毛を染めたときにのせる」(19歳・女性)、「私と姉です。ちょっと顔が隠れていたほうがかわいい」(16歳・女性)といった意見が。
由井さんも「自分の顔を出すと、自分の顔が気に入っているんじゃないか、ナルシストだと見られるのが嫌なのかと思っていたが、(Z世代は)世界観を出したいんですね」と関心を示します。
この傾向の背景には、「恥ずかしさも当然あると思うが、髪型など全体的な雰囲気は誰もが真似できる。今は自分の個性をアピールするより、他の人が真似できるような、他人に役立つものを投稿し、参考にしてもらいたいという意識が日本のInstagramユーザーは強い」と酒井さん。この意見に、田中は「確かにInstagramを見ていても、おすすめするような投稿が多い」と納得の様子。自身も他人の役に立ちたいという気持ちはあるものの、「あまりそういう発信はできていない」と苦笑いを浮かべていました。
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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag