今、個人が作った「公園紹介サイト」が子育て世代にとってうれしいと話題になっています。将来の展望も含め、サイトの魅力をまとめました。

サイトの名前は「こちら葛飾区公園情報紹介所」という、どこかで聞いたことのあるようなキャッチーなタイトルが付いています。人気の理由は“写真を見ながら子どもと選べる”サイトの使いやすさにあります。遊具の写真から公園を探すことができ、例えば「遊具から探す」場合、滑り台やアスレチック、恐竜の乗り物なども記載されています。写真の中で気になった公園があれば、さらに細かく公園情報を見ることもできます。
もう1つ、人気の理由が「子育て目線の便利なタグ」です。例えば「おむつ台がある」とか、転んでも痛くないように「ウッドチップが敷いてある」といった内容でも検索できます。この情報は幼い子どものいる家庭は特に助かりそうです。他にも「最寄り駅」や「松ぼっくりが拾える」といったタグもあります。
このサイトには東京・葛飾区を中心に足立区など106カ所の公園の情報が掲載されています。“限定された地域の情報”である理由は、実はたった1人で運営しているからです。
サイトを運営する「きくちさん」は、3歳の男の子を持つパパで、建設業の会社でウェブ担当の本業の傍ら、趣味で始めたということです。ウェブ作成のプロだからこそ趣味といっても見やすいサイトになっているのです。きくちさんがこのサイトを始めたきっかけは、これまで子どもと一緒に公園に遊びに行く時でもどういう公園なのか事前に調べる情報がなく、行ってみたらがっかりしたということも多かったため「自分で作ろう」と思い立ったということです。
ただ、苦労もたくさんあるようです。まず1つ目の苦労は、正確な情報のために1つの公園で100枚ぐらいの写真を撮り、遊具の老朽化なども細かくチェックしているという点です。これにより、注意が必要な「危険な箇所」も事前に分かります。「保護者の死角になりやすい場所」など、安全面も意識しているということです。2つ目の苦労が、いまや子どもの写真の取り扱いは慎重にならないといけない時代なので、遊んでいる子どもたちの映り込みには気を付けているという点です。にぎわっているときなどには撮影の日を改めることもあるそうです。3つ目の苦労が、全ての公園を息子さんと2人で回っているため、何カ所か公園をハシゴをしたかったのに息子さんが1つの公園に夢中になってしまい、予定変更となることもあるのだそうです。
きくちさんはさらに未来を見据えています。地域が活性化するように第2弾、第3弾と発展させていく計画があるというのです。まず収益化の仕組みを作りたいとしています。今は広告は一切入っていませんが、今後は法人化も視野に入れ、公園近くでの飲食店や習い事、求人募集などを有料で紹介しようというのです。経費を除いた収益の10%は「子ども食堂」などの支援団体に寄付したい考えです。こうして収益化が安定したら第3弾として、子育て世代をさらにサポートしたいと考えています。使わなくなったキックボードやボールなど公園で遊べる遊具を寄付してもらい、協力してくれる店舗で無料レンタルを行います。こうした活動に地域のお母さんたちを雇用して、子どもを公園で遊ばせながらお母さんたちのランチ程度のお金を稼げるような仕組みを作っていきたいと、きくちさんの夢は膨らみます。