TOKYO MX（地上波9ch）朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」（毎週月～金曜7:00～）。5月25日（火）放送の「フラトピ！」では、“不動産のDX（デジタル・トランスフォーメーション）”について深掘りしました。

◆デジタル化が進み不動産業界に大きな変化が

今回、不動産業界における“DX（デジタル技術を利用した変革）”について解説してくれたのは、NewsPicksのプロピッカーで不動産ITベンチャー「TERASS」の代表取締役の江口亮介さん。

具体的にどんな変化があるかと言えば、まずは「賃貸の不動産契約」。江口さんは、「スマホ1つで家にいながらできるようになったのが大きなポイント」と言います。従来は不動産に出向き、多くの紙の契約書を交わす必要がありましたが、今は電子化が進み、ビデオ通話で説明を受けながら、印鑑も電子契約で行えるようになってきたと現状を説明。

その背景にはコロナ禍ということもあり、「接触を避けようということで、来店しなくても取引が完了する電子契約が普及した」と江口さん。合理化が進めばコストも圧縮されますが、それは直接家賃に反映されるのではなく、手数料などが下がることがあると言います。

もう1つは、「3Dモデリング」なる3D技術を使った部屋の紹介方法。これは物件の空間データを収集し3D化。家の状況を詳細に見られるそうで、「今までは不動産サイトの写真を見るしかなく、（現地に）行ってみないとわからないことが多かったが、これがあれば（室内を）移動でき、かなり高い精度で物件の状況がわかる」と解説。

さらにスマートフォンがあればどこでも内見可能。現地に行く前に物件の情報がかなりわかるため、江口さんは「無駄な内見がなくなり、お互い効率化され、普及が進んでいる」と話します。

最近、物件を探していたというキャスターの田中陽南は「いくつも内見に行くことに時間がかかっていたので、これがあれば本当に楽」と興味を示します。一方、法律事務所ZeLoの弁護士・由井恒輝さんは「VRでやったら面白そうですね」とコメントしつつ、「住むところのニオイや周りの環境、隣人なども気になるので、（今後は）まずはこれで物件を見て、気に入ったところに行くような感じになるのでは」と推察します。

「3Dモデリング」はVR化もすでに視野にあり、専用のゴーグルなどを着用し内見することも可能になってきており、将来的には、まだ建っていない家などを見ることもできるようになるのではと江口さんは予見します。

◆デジタルの普及により、不動産売買がより活性化!?

さらに、現在はAIによる物件価格の査定が普及。「AIだと物件の価格を瞬時に、ある程度の精度で出してくれるので、自分の物件がいくらなのか、自宅で数分でわかるようになった」と江口さん。

これに由井さんは、「どれだけ裁判所の運用などで信頼してもらえるのかなどの問題はあるが、仕事柄、不動産の鑑定をすることもあるので、すぐに調べることができることはコスト面でも良い」と期待します。

以前、江口さんはこのコーナーで、「コロナ禍でも不動産価格は上がっており、家を買いたい人が増加している」と解説していましたが、現状はどうなっているのか。江口さんに聞いてみると「4月もまた（物件の）価格が上がっていて、一方で家を買いたい人もたくさんいるので物件の在庫数は減っている。非常に高値のマーケットになっている印象」と言います。

また、不動産業界とテクノロジーの今後については、まだ全国の不動産会社がデジタル対応できているわけではないものの、都市部の新しい会社ではかなり導入が進んでおり、「お客さんも会社を選ぶ権利があるので、どこにお願いすれば便利か選べるようになってくる」と江口さん。そして、デジタルが普及すれば売買の流動性も高まります。そうなると、「不動産は一度買ったらずっと住むイメージが強いが、価格がわかりやすく、内見もしやすくなると売買も容易になり、家を買うリスクも下がる。いい意味で簡単に移り住めるようになる時代が近付いている」と話していました。

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＜番組概要＞
番組名：堀潤モーニングFLAG
放送日時：毎週月～金曜 7:00～8:00　「エムキャス」でも同時配信
キャスター：堀潤（ジャーナリスト）、田中陽南（TOKYO MX）
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter：@morning_flag