突然、二酸化炭素が噴出… 東京・新宿4人死亡の消火設備事故から1週間

2021.04.23(金)

10:05

 東京・新宿区のマンションの地下駐車場で誤作動した消火設備から二酸化炭素が噴き出して男性作業員4人が死亡した事故から1週間がたちました。事故を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。対策を聞きました。

 東京・新宿区のマンションの地下駐車場で誤作動した消火設備から二酸化炭素が噴き出して男性作業員4人が死亡した事故から1週間がたちました。事故を防ぐためにはどうしたらよいのでしょうか。対策を聞きました。

 新宿区下落合のマンションの地下駐車場で4月15日、天井の張り替え工事中に誤作動した消火設備から二酸化炭素が放出される事故がありました。当時、現場では突然避難を促すアナウンスが流れ、駐車場の中に二酸化炭素が充満したとみられています。この事故では男性作業員6人が取り残され、1人は自力で脱出しましたが上邨昇巨さん(59)ら4人が死亡し、28歳の男性が意識不明の重体となっています。

 警視庁は事故を受け、工事の元請け会社である豊島区にある株木建設東京本社など2カ所を業務上過失致死傷の疑いで家宅捜索しました。捜査関係者によりますと、天井張り替えの過程で作業員らが熱や煙の感知器を一度取り外して元に戻す時、何らかの理由で感知器が反応し、二酸化炭素が放出されたとみられるということです。

 東京消防庁で麻布消防署長を務めたこともある坂口隆夫さんは、ハード面とソフト面の両面からの対策を訴えています。ハード面では、普段設定されている「自動」で火や煙を感知して消火設備が作動するようにしてある状態から「手動」で起動する設定に切り替えることや、二酸化炭素などのガスが噴出しないようにガスボンベにつながっている「停止弁」と呼ばれる栓を閉めることが必要だと話しています。ソフト面の対策としては、消火器やスプリンクラーの設置工事などを行うことができる国家資格を持つ「消防設備士」などを立ち会わせることや、工事を行う事業者に消火設備についての危険性を十分に教育することなどが必要だと訴えます。

 また、もし消火設備が誤作動してしまった時の対策として覚えておいてほしいことがあります。消火設備のアラームが鳴ってからガスが放出されるまでに20秒から30秒ほどの時間があるということです。そのため、誤作動した場合は操作盤の非常停止ボタンを押すことでガスの放出を止めることができます。突然アラームが鳴って混乱するかもしれませんが、いったん冷静になることが大事です。

 消火設備の「非常停止ボタン」は覚えておくと、いざという時に冷静に対応できそうです。同じような事故が二度と起こらないよう、しっかりとした確認作業とルールの徹底、再発防止策が求められます。

 

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