ジョブ型社会の到来…自分の給料は自分が決める時代に

2021.03.31(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。「オピニオンCROSS neo」では、株式会社あしたのチーム会長兼創業者の髙橋恭介さんが“変わりゆく給与体系”について述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。「オピニオンCROSS neo」では、株式会社あしたのチーム会長兼創業者の髙橋恭介さんが“変わりゆく給与体系”について述べました。

◆トヨタが昇給制度を変更…ジョブ型社会へ

トヨタ自動車は昇給制度を今年から変更。これまでは毎年定期的に昇給していましたが、一律部分をなくし、個人の評価だけで昇給額を決める制度を導入。これは成果主義へさらに舵を切ることを意味し、入社時期が近い従業員の給与差が大幅に開く可能性もあるということです。

トヨタは10年以上かけ人事制度を改革。そして、遂に定期昇給を廃止したことに大きな衝撃を受けたと髙橋さん。これは日本で当たり前とされてきた雇用システム「年功序列型賃金」、「終身雇用」、「学卒一括採用」に対し、「いよいよジョブ型に移行していく本格的な流れが出てきた」と言います。

そんななか、髙橋さんは社会人1年目と50歳以上の方々に実施した意識調査の結果を紹介。まずは「あなたが働く会社では『成果給』と『年功給』のどちらが導入されているか?」と聞いてみると、着目すべきは「完全に年功給」と答えた方で、なんと1割にも満たないという結果が。その数値から、髙橋さんは「もはや今の日本社会は年功給だけで給与が支払われているという方々はほとんどいない。まさに(ジョブ型への)移行期に突入しているということを表す1つのデータ」と分析。

次に、「『成果給』と『年功給』、どちらの適用を望むか?」と質問。髙橋さんの予想に反し、結果は社会人1年目と50歳以上の方ともに「成果給」を望む声が多数。髙橋さんはこの1年間、SNSで「ジョブ型」というキーワードを追いかけたところ、「ジョブ型になると高齢者を切り捨てるのではないか」、「給与が下がる」、「格差社会を助長」など否定的な意見が多かったそうですが、今回の調査では成果給が意外と受け入れられており、「新たな発見があった」と言います。

さらに、成果給と答えた方に「給与や評価を決める際にマイナス査定(給与減少)があったとしてもその仕組みを好むか?」と聞いたところ、50歳以上では「非常に好む」、「どちらかというと好む」が3分の2を占め、若者も50%以上。高橋さんは「マイナスがあるということはプラスもあると理解されているということ」と推察し、「自分も生産性を上げていかなければ会社も危ない、自分だけが守られている時代ではないという理解が進んでいるのではないか」と評価します。

◆2021年はジョブ型元年、成果主義に

総じて髙橋さんは、トヨタの事例も「コスト削減が目的ではなく、社員に危機意識を芽生えさせ、やる気を促進していくことが、ひいては一人ひとりの生産性を上げ、会社の業績向上、全体の給与アップに繋がっていく」と大きなメリットを解説。そして、そのサイクルが日本の就業者の間でコンセンサスが取れつつあることを喜び、「2021年はジョブ型元年。自分の給与は自分で決められる、そんな時代に突入していくのではないか」と期待を込めます。

ただ、ジョブ型社会になった際、経験を積んだ社員と社会人1年目の社員で適正な評価ができるのかとMCの堀潤が危惧すると、ファッションブランド経営者のハヤカワ五味さんは「(ジョブ型の)概念としては賛同するものだと思うが、評価をする側は手間がかかり、すごく大変だという印象」と指摘。

すると、評価制度の分野を専門とする髙橋さんは「企業側に説いているのは『面倒臭いことをしっかりやりましょう』という一言」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

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