コロナ禍で増える目のトラブルについて、お伝えします。大人だけではなくて、子どもにも注意が必要ということで、是非ご家族で見ていただければと思います。まずは、コロナですっかり身近なものになった、アルコール消毒が原因で起こる目のトラブルです。消毒液が乾かないうちに、花粉症で目がかゆくてこすってしまったり、コンタクトレンズを入れたりした場合、目にアルコールが入ってしまいます。ただ、手に付いたアルコールはすぐに揮発しますから、大量にプッシュしたか、すぐ直後でなければ、そんな心配することはありませんが、さらに危険なことがあります。

よくある消毒の風景ですが、注意点にお気づきでしょうか?大人が使いやすい腰の高さというのは、子どもの目の高さになります。すると、子どもの目に、直接スプレーの中身がかかってしまう事故が各地で多発しています。まさに、目をつぶってって言ってもかかってしまったことがあります。病院では、子どもの患者用に低い位置に設置しています。最近では、足でペダルを踏むとプッシュされるタイプもありますから、子どもがいたずらしないように注意しなくてはいけません。
もし、アルコール消毒が目に入ってしまったら、どうなるのでしょうか。杏林大学医学部で眼科が専門の山田教授にお話を伺いました。「アルコールによって角膜の表面が変性、壊死してしまう可能性があって、そのように傷がついた角膜は細菌に感染するリスクが大きくなって最悪の場合、失明の可能性もあるということです。アルコールが目に入った時は、とにかく急いで、流水で目を洗ってください。
続いてはコロナ禍の目のトラブルがこちらです!テレワークの増加によって、リモート会議などでこれまでよりパソコンの画面を長時間見つめるようになったことでドライアイの症状が出る人が増えています。パソコンで作業している間は、まばたきが通常時の4分の1になってしまうそうで、涙が乾いてバリア機能が低下しています。このドライアイで、特に注意が必要な年代は1位の「20代の女性」です。2位も「30代女性と50代・60代の女性」でした。
加齢とともに女性ホルモンの影響で、女性はドライアイになりやすいんですが、20代30代に多いのは別の理由があります。SNSなどで長時間スマホを使っていたり、黒目を大きくするカラーコンタクトをしている人もいますよね。他にも目の際までアイメイクをしている人や、まつげエクステンションをしている人もドライアイになりやすいということで、目に刺激を与えることで、目の防御力が下がって、角膜に傷がつきやすくなってしまいます。さらに今の季節は、花粉症で目をこすることも角膜を傷つける原因になるので、症状が出る前に早めに薬を飲んだりして、症状をおさえるようにしてください。
目を守るためにどうしたらいいのかをお伝えします。
皆さん、上手な目薬の差し方をご存知でしょうか?詳しくは動画ををご覧下さい。
1 利き手と反対の手をグーにして目の下にあてて、下まぶたを少し下げます。
2 利き手に目薬を持ち、グーにした手を土台にすると安定して差すことができます。
3 差した後は目を閉じて目頭を軽く押さえてください。
目から鼻に老廃物を送る管があるので、目薬の成分が流れないように目頭を押えてください。気をつけなければいけないのは、目をパチパチ何度もすると、涙が成分を洗い流してしまうのでしばらく目を閉じたままにしてください。そして、効果がありそうと、たくさん差してもこぼれるだけなので、用量を守ってください。そして、防腐剤が入っているものは、かえって目に刺激を与えますので避けるとよいそうです。他にも、蒸しタオルなどで目を暖めると涙が出やすい潤んだ状態になりますし、睡眠時間が短いとドライアイが悪化することが知られていますので、十分な睡眠をとるようにしてください。