東京にゆかりのあるアスリート情報をお届けするTOKYO MX（地上波9ch）の総合スポーツ番組「TOKYO LOVE SPORTS」（毎週月曜20:00～）。9月16日（月・祝）放送の「登坂が行く！ マロズクローズアップ」のコーナーでは、前回に引き続き、パーソナルトレーナーの仲田健さんへの密着取材の第2弾をお届けしました。
◆お互い最悪だった第一印象
今回、キャスターの登坂淳一は、2016年リオデジャネイロオリンピックの陸上4×100メートルリレー銀メダリストの山縣亮太選手の成長秘話に迫った。前回取り上げたパラ陸上の井谷俊介選手と同様に、山縣選手も仲田さんの指導によって生まれ変わった1人だ。
2016年12月放送「カウントダウンTOKYO」のコーナーで、仲田さんは出会いについてこう語っていた。
「（初めて出会ったのは）2015年の10月くらい。2012年ロンドンオリンピック以降、ケガをしてまともに走れていなかったので2016年リオデジャネイロオリンピックに間に合うかどうかという状態だった。ケガをしないための体づくりなど、がんばってやっていこうと」
今回の取材で改めて山縣選手の第一印象を聞いてみると、「彼自身、最初から会う気がまったくなくて、私と一緒にやる気はさらさらなかったみたいですね。なので、最初に会ったときの印象はすごく感じが悪かった」と仲田さんは笑う。
そんな最悪な出会いからスタートした2人だったが、「（体幹トレーニングなど基礎的なことを）試しにいろいろとやらせてみたが、全然できていなかったので、『こういうことも、もう少しできたほうがいいんじゃないか？』とアドバイスしたところ、彼も自分のなかで“変えたい！”というか、これからさらに伸びていくにはどうしたらいいかと考えていて、“1回（私のトレーニングを）受けてみてもいいかな”と思ったみたいです」と振り返る。
◆短期間で変貌を遂げた指導法
そこから2人の挑戦が始まった。リオデジャネイロオリンピックまで約10ヵ月……仲田さんはウエイトトレーニングや食事面での注意など、タイムを出すために必要な体づくりを一から見直したという。その結果、「体脂肪は変わらないのに、筋力だけで体重が66キロから74～5キロくらいまで上がった」と語る。
そうして迎えた2016年リオデジャネイロオリンピック。二人三脚でやってきた努力が実を結ぶ。4×100メートルリレーの第一走者として、銀メダル獲得に大きく貢献してみせたのだ。
山縣選手は、ケガでまともに走れなかった自分を短期間で蘇らせてくれた恩師について、「ウエイトトレーニングの指導をしてもらったり、練習のビデオを撮ってもらったり、タイムを計ってもらったり……そういったこともすごくうれしいんですけど、気持ちを前向きにさせてくれるところに感謝しています」との言葉を口にした。
◆“仲田流”選手との向き合い方とは？
選手の気持ちを前向きにさせる極意には、仲田さんならではのアスリートとの接し方にあった。
「彼はすごく研究熱心で勉強熱心で、動画を観たり、文献をいろいろと調べたり（みずから行動している）。自分のなかで考えたイメージとか、こういう風に（体を）動かしたいとか、こういうときにはどうしたら良いかなど、技術的なことに関しては、相談をしながら“チーム”でやっているという感じです」
今回の仲田さんへの取材で、とりわけ登坂の心に残ったのは、次の一言だ。
「指導するうえにおいて、強制はしない。いろいろと提案をするなかで、自分で考えさせて、自発的に行動するように促している。自分で理解していないのに、やらされるとがんばれない。自発的にやるのとやらされるのでは、運動のパフォーマンスが全然違う。納得したうえで練習してもらうようにしている」
固い信頼関係を築き上げた2人が、2020年東京オリンピックへの確かな手応えを掴んだのは、2017年9月に開催された「第65回全日本実業団対抗陸上競技選手権大会」だ。山縣選手は、100メートルで当時の日本歴代2位となる10秒00をマーク。
いよいよ来年にせまる東京オリンピックで夢の表彰台へ……2人の飽くなき挑戦は続く。
＜番組概要＞
番組名：TOKYO LOVE SPORTS
（9月までの放送情報）
放送日時：毎週月曜20:00～20:40 「エムキャス」でも同時配信
キャスター：登坂淳一、稲村亜美
コメンテーター：水内猛
リポーター：宮下純一（カウントダウンTOKYO）、室伏由佳ほか
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/sports/tokyo_love_sports/
