ゴルフ・石川遼、陸上・山縣亮太も…スゴ腕トレーナーの指導法に迫る

2019.10.20(日)

15:00

東京にゆかりのあるアスリート情報をお届けするTOKYO MX(地上波9ch)の総合スポーツ番組「TOKYO LOVE SPORTS」。9月9日(月)放送の「登坂が行く! マロズクローズアップ」のコーナーでは、パーソナルトレーナーの仲田健さんの指導法に迫りました。

東京にゆかりのあるアスリート情報をお届けするTOKYO MX(地上波9ch)の総合スポーツ番組「TOKYO LOVE SPORTS」。9月9日(月)放送の「登坂が行く! マロズクローズアップ」のコーナーでは、パーソナルトレーナーの仲田健さんの指導法に迫りました。

◆スゴ腕トレーナーの極意とは?

今回、キャスターの登坂淳一が訪れたのは、とあるマンションの一室。ここは、利用するアスリートが周りの目を気にすることなく集中してトレーニングをおこなえる個人練習専用施設。

出迎えてくれた仲田さんは、陸上の山縣亮太選手やプロゴルファーの石川遼選手など、一流アスリートが絶大な信頼を寄せるスゴ腕のパーソナルトレーナーだ。

登坂が取材に訪れたこの日、仲田さんの指導を受けていたのは、義足のスプリンター、パラ陸上の井谷俊介選手。

井谷選手は、今年7月に開催された「天皇陛下御即位記念2019ジャパンパラ陸上競技大会」で、「T64」という片足の膝から下に義足を着けて競技するクラスの100メートルと200メートルに出場し、二冠を達成。2020年に開催を控える東京パラリンピックでメダルを期待される逸材だ。

本格的に競技を始めたのは、わずか2年前。「(競技を始めた)最初の頃は、13秒で『やったー!』と喜んでいたんですけど、仲田トレーナーの指導を受けるようになってからは、タイムがどんどん上がって11秒台になり、アジア記録を更新できた」

昨年10月、競技歴わずか11ヵ月で100メートル11秒70を叩き出し、アジア記録を更新。一気にパラ陸上界の注目株となった。その井谷選手の躍進を陰で支えていたのが、仲田さんだったのだ。

◆仲田流の指導法

井谷選手をアジアトップのパラアスリートへと押し上げた仲田流の指導法とは、一体どんなものなのか……実際のトレーニングを見せてもらうことに。一見、バーベルで負荷をかけるスタンダードなスクワットかと思いきや、視線を下げると足の間にはボールが。さらに、両手にダンベルを握って腹筋運動をするときにも、足の間にボールを挟んでいる。

仲田さんは、「人間って1個の筋肉を使って動くわけではなく、連動させながら、繋ぎながらやるので、同時に動かすということを(体に覚えさせている)」と語る。さらに、片手だけダンベルを持った状態で腹筋をするよう指示が飛ぶ。これは、不安定要素をさらに高くすることで、体が不安定な状況のなかでも複数の筋肉を連動させることができるよう叩き込むためだ。

これらのトレーニングは、仲田流の理論に裏打ちされたもの。井谷選手は片足が義足のため、左右の筋力差が著しいことが大きな課題だった。バランス重視のトレーニングに力を注ぐ理由は、左右のバランスを取る体の使い方を覚えるため。

仲田さんは、「200mになるとコーナーがあるので、力の使い方が違う。100mは直線なので、できるだけ左右対称に均等に出力を出せるようにやっていくことが大事ですし、体の機能的にも左右対称であるほうがケガのリスクも少なくなる」と語る。

今でこそ、アジア記録保持者となった井谷選手だが、仲田さんの門を叩いた当初は、義足で走ること自体、不慣れだったという。当時をこう振り返る。

「体の使い方や足の使い方、動きを細かく基礎から教えてくれた。なかなか上手くできず、走るのってこんなに奥が深くて難しいのかと知ることができた。重心をまっすぐにして真下に足をついて歩くのを、10分、20分と延々とやって、それが終わった後は片足を交互に切り返して……最初の頃は1日がそれでいっぱいいっぱいでした」

◆ブレない方針

基礎の反復に取り組んだ結果、走り方はすぐ変化を遂げた。わずか2年前は義足で走ることすらままならなかったが、仲田さんとの出会いをきっかけにアジア記録を叩き出すまでに成長したのだ。

「それぞれの選手の弱点や修正しなければならない部分を、パッと見て、そこを重点的にやる。選手の成長にすごく(影響があるし)、みなさん結果を出しているのがすごい。自分が経験していない競技に関してもトレーニングで成果を出してくれるのが、仲田トレーナーのすごいところ」と井谷選手は絶大な信頼を口にした。

数多くのアスリートを進化させてきた仲田さんには、どのアスリートに対してもブレない考えがあるという。それは、「指導することについては、強制はしないこと」。

「いろいろと提案をするなかで、自分で考えさせて、自発的に行動するように促している。自分で理解していないのに、やらされるとがんばれない。自発的にやるのとやらされるのでは、運動のパフォーマンスが全然違う。納得したうえで練習してもらうようにしている」

開催まで1年を切った2020年東京オリンピック・パラリンピック。仲田さんが指導したアスリートたちが、夢の大舞台で飛躍する姿に期待したい。

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<番組概要>
番組名:TOKYO LOVE SPORTS
​​​​​​​(9月までの放送情報)
放送日時:毎週月曜20:00~20:40 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:登坂淳一、稲村亜美
コメンテーター:水内猛
リポーター:宮下純一(カウントダウンTOKYO)、室伏由佳ほか
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/sports/tokyo_love_sports/

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