TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。10月9日(水)の放送では、再開された「表現の不自由展・その後」について意見を交わしました。

◆展示再開に河村市長が座り込みで抗議
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の再開を受けて、名古屋市の河村市長は8日、会場の前で再開に抗議する座り込みをしました。河村市長は「表現の自由に名を借りて、世論を暴力的にハイジャックするのはやめてくれ」などと訴えました。
manma代表で慶應義塾大学院生の新居日南恵さんは、河村市長が座り込みをする映像を観て、「政治家で市長である方が、座り込みという手法を取るのはどうなんだろうっていう違和感があった」と言います。人それぞれ、さまざまな意見があることは承知しつつも、いち市長がこうも特定の主張を持って座り込みをすることに対しては理解できないようです。
一方、湯浅卓さんは国際弁護士としての立場から、「日本は、なぜこれが裁判にならないのか」と疑問を呈し、河村市長は座り込みではなく「裁判で争うべき」と主張します。
ただ、日本では憲法問題を忌避したがる裁判所が多いそう。とはいえ、現在は裁判官もいろいろな人が増えただけに、「展開によってはどうなるかわからないので、私は裁判所も大きく関わるべきだと思う」と湯浅さん。
もしも裁判所が対応しない、そんな場合には、アメリカでは裁判所を訴えることができるそうです。アメリカにしろ日本にしろ、「裁判所は公共機関、市も公共機関」と語る湯浅さんは、「公共機関が絡むことで公共機関たる裁判所がしっかり判断しないのは憲法違反になり得る」と厳しく指摘。さらには、「我々はもっと厳しく公共機関を見張っていく必要がある」と訴えていました。
◆「表現の不自由展・その後」は再開すべき?
一度は中止になったものの、10月8日から再開された「表現の不自由展・その後」。その是非についても世間ではさまざまな意見がありますが、新居さんは再開することに肯定的な様子。河村市長のように展示はやめるべきとする人がいる一方で、これも1つの考えるべきテーマだと感じている人もいるだけに、「その両方が尊重されるという意味では、私個人としては展示しながら議論していくほうが、納得感があると思う」と感想を口にします。
MCの堀潤も「表現の自由は、民主主義の血流ですからね」と後押しすると、湯浅さんは、「少数の人々を守る、政府から守るというのが憲法の根本精神だから、そういった点で人権っていうのは最大限の尊重がはかられるべき」との見解を示していました。
番組では、視聴者に「『表現の不自由展・その後』の再開についてどう思いますか?」というテーマで生投票を実施しました。結果は以下の通りです。
◆「表現の不自由展・その後」の再開についてどう思いますか?
賛成……1,395票
反対……1,101票
わからない……420票
<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross