「日本人は休み方が下手すぎる」識者が推奨する“休み方改革”とは?

2019.09.29(日)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月26日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、明治大学大学院 教授の野田稔さんが“休み方改革”を提言しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月26日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、明治大学大学院 教授の野田稔さんが“休み方改革”を提言しました。

◆働けるだけありがたい

野田さんはまず、米カリフォルニア大学デイビス校のロバート・エモンズ教授が提唱する“幸せな人生に必要な4つの要素”を紹介します。

1.仕事
2.目先の利益を超えた理想
3.高い目的意識
4.社会とつながっている実感


「定年退職して仕事がなくて、どうやって日中を過ごすかと考えている人にとっては切実。(無就労は)“あなたはこの世の中にいらない”と言われているようなもの。働くことには意義があり、働けるだけありがたいと思うこと」と強調します。

また、英ケンブリッジ大学などの研究チームの調査によると、1週間に8時間働くだけで、心の健康を損ねるリスクが30%低下することが明らかに。この先AIやロボットの普及が進み、労働時間の短縮が予想されます。

◆いい休みが次の仕事の充実に関わる

野田さんは、過去に働き方改革のコンサルタントに携わった経験があり「年次有給休暇20日間をすべて取得しましょう!」と推奨したところ、ある従業員から「仕事をしないから、会社にいさせてほしい。これ以上家にいると妻に追い出されてしまう」と懇願されたことも。その会社では、有給消化のためのバスツアーを実施したと言います。

そんな経験もあって「日本人は休み方が下手すぎる」と語気を強め「いい休みが、次の仕事の充実に関わる。だから、休み方改革を推進している」と話します。

◆就業時間中に休む&連休を取る

野田さんの推奨する“休み方改革のススメ”とは「就業時間中にちゃんと休む癖をつけること」。

例えばお昼ご飯などは、仕事をしながら食べない。休日の取り方についても「このごろ2日間連続で休めない職場が増えている。1日ずつ(飛び飛びで)休みを取るよりも、2日間連続で休みを取ったほうが圧倒的にリフレッシュできる」と説明します。

年間の休みでは「例えば長期の場合、平日5日間に土日2日間を前後で足して9日間取るのが普通だが、みんな分断して取るようになっている。(欧米などのように)連続して取らなきゃ駄目。さらには、大卒ならば22歳~65歳までの就労期間に、リカレント教育で1年ぐらい休んで勉強できると理想的」と提言します。

この意見に対し、税理士の中島加誉子さんは「就業中や長期休暇においても“休む=怠けている”という考え方を社会全体で変えていかないと堂々と休めない」と課題を挙げると、野田さんは、リクリエーション(余暇・娯楽)というワードを引き合いに出し、「休むことは、リ・クリエーション(創造・創作)でもあり、もう1回クリエイトすること(につながる)。積極的に休む癖をつけないと、“週8時間労働時代”に対応できない」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

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