TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月10日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、経済ジャーナリストの磯山友幸さんが、日産自動車社長“事実上の解任”について見解を述べました。

◆ゴーン氏追及“事実上の告発者”が…
日産自動車は9日(月)、記者会見を開き、西川(さいかわ)広人社長が今月16日付けで辞任することを明らかにしました。前会長のカルロス・ゴーン被告による一連の事件では、事実上の告発者となって逮捕まで追い詰め、経営体制の改革や連合を組むルノーとの交渉など一手に担ってきましたが、辞任が決まったことで再び大きな衝撃が走ることになりました。
経済界では6月の株主総会で退任するのが当然だと言われていたそうです。1つ目の理由が、ゴーン氏の事件を見抜けなかったこと。「後進に座を譲って辞任すべきだろう、というのが経済界の見方だった」と磯山さん。
2つ目が、業績が急激に悪化したこと。2018年4~6月期に1,091億円あった営業利益が、2019年の同時期には16億円に。西川氏は9日の会見で「第2四半期は回復の道筋が見える」と言っていたそうですが、それでも1万2,500人もの人員削減を予定しています。
3つ目が、6月の株主総会で、機関投資家と言われる日本生命が西川氏の社長人事に反対票を投じていたこと。外部からも辞任の声が挙がっていたことは「経営者にとっては非常に痛い」と磯山さんは指摘します。
そして、決定打となったのは株価連動型の報酬に関する不正の発覚。MCの堀潤が「ゴーンさんを追及していたとき、自分でもこういったことを抱えながら、なぜあそこまで厳しい姿勢がとれたのか不思議……」と首をかしげると、磯山さんも同意。前夜の記者会見でも、この点に関して批判を浴びていたそうです。
◆西川氏を守れる状態ではない
これだけのことがありながらも、西川氏はすぐに辞めるとは明言せず、業を煮やした取締役会が勧告。「事実上の解任ということですね。さすがに西川さんを守れる状態じゃない」」と磯山さんは言います。
今回の一件で「他の企業を含め、日本の企業統治はどうなっているのか問われるのではないか」と堀が苦言を呈すると、磯山さんは頷きつつも日産の場合は社風が関係していると指摘。「意外と経営幹部が社長ポストを争って、足の引っ張り合いをしているとか、そういったことも起きているよう」と話していました。
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:http://s.mxtv.jp/morning_cross/