平均貯蓄額1,752万円“6割超が平均値以下”…格差社会のリアルが明らかに

2019.09.12(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月5日(木)の放送では、“貯蓄額調査の平均値と中央値の乖離”について意見を交わしました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。9月5日(木)の放送では、“貯蓄額調査の平均値と中央値の乖離”について意見を交わしました。

◆平均値だけでは現実を見誤る!?

“一億総中流階級”と言われた時代は、年収や貯蓄額で平均値が参考にされていました。しかし、格差が広がる現代では、平均値というものさしだけでは現実を見誤るとして、エコノミストの櫨(はじ)浩一さんが中央値も公表すべきだと主張しています。

平均値と中央値、この2つの違いは、前者は数字の高い人と低い人、全てをならして平均とする一方、後者は純粋に真ん中の数字をさすため、数値には隔たりがあります。例えば、2人以上の世帯貯蓄額の場合、平均値は1,752万円で中央値は1,036万円となっています。

MCの堀潤は、この2つの数値の取り方は、「統計上、どの数字をとり、どの数字を公表し、どの数字を基準にするかでだいぶ印象が変わる」と言います。

元衆議院議員の金子恵美さんは、今年話題となった金融庁の報告書問題の際に地方と都市部では話が全く異なっていたことを挙げ、「住むエリアで家賃や生活環境、物価も違う。その中で数値を出されても納得しないところもある」と感想を口にします。

そして、既存のデータでは出てこない細かい部分をいかに見るかに着目し、エリアや年代などを意識して政策立案しないと「具体性が出てこない」とコメント。

一方、国際弁護士の湯浅卓さんは、「統計学とは数学ではなく、数学と社会学の間のようなもの」と持論を展開しつつ、「こういう風になってくると数学と社会学と政治学の間のような感じで、数字が操作される可能性がある」と指摘。「ニュースが正確な情報を出すことで、国民がそれにごまかされないようにウォッチングしていく必要がある」と主張していました。

◆多様化する現代社会 中央値も意味がない!?

平均値だけでなく「中央値さえ意味がないのではないか」と堀は疑問に思っているようです。というのも、100人いれば100通り、それぞれ抱えている課題やバックグラウンドが多様化によって異なるから。それだけに「政治の役割は問われると思う」と金子さんに投げかけます。

すると、金子さんは堀の言葉に大きく頷き、「政治家は“個々の”“一人ひとりの”と言うのであれば、それぞれケースバイケースで違うので、その声をどれだけ集約できるか、どうやって政策に反映させるかが大事」と述べます。

最後に湯浅さんは、今回の数値に潜む不公平のなかには、「非正規雇用の7割が女性であるという男女不平等がある」と提起します。これは世界も強く批判しているそうで、「こういったことがニュースになることは、逆を言えば男女不平等を直せというプレッシャーも強くなる」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:5 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

 

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