「ガラケー女」デマ被害者が法的責任追及へ リツイートだけでも同罪?

2019.08.31(土)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。8月27日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際弁護士で気象予報士の清原博さんが“リツイートの罪”について見解を述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。8月27日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際弁護士で気象予報士の清原博さんが“リツイートの罪”について見解を述べました。

朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。8月27日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際弁護士で気象予報士の清原博さんが“リツイートの罪”について見解を述べました。

◆デマ情報を流された女性が法的責任を追求

茨城県の常磐自動車道で起きた「あおり運転事件」で、加害者の車に同乗していた女性と似ているとして、デマ情報をインターネット上で流された都内在住の会社経営の女性が8月23日、弁護士とともに会見し、デマ情報を投稿した人たちの法的責任を追求する方針を明らかにしました。

女性は、「普段通りに寝て起きたら犯罪者扱いされて、名前と写真が流出していた」と振り返り、「SNSで手軽に発信できる時代だが、責任を取れるのか考えてほしい」と訴えました。

清原さんはまず、過去にも同様の事件が起きていたことを紹介します。それは2017年のこと、東名高速で事故が起きた際、全然関係のない会社が容疑者の務め先だとデマ情報を流され、ひどい目にあったそうです。

◆リツイートは連帯保証人のハンコと同じ

この事件の大きな原因として、清原さんは“SNSの拡散”を挙げます。もちろんデマ情報を最初に書き込んだ人も悪いが、それをうかつに信用しリツイートすることも悪いと指摘。今回はリツイートした人が6,600人以上にのぼり、「情報が拡散してしまい、一夜にして全く関係のない人が犯罪者扱いされる。そんな状況が今後も繰り返される可能性がある」と清原さん。

MCの堀潤から、デマ情報の発端となった人と、それをリツイートした人の罪の重さを問われると、清原さんは“リツイートは連帯保証人のハンコ”という提言を発表します。

これは、実際にデマ情報に苦しむお笑い芸人・スマイリーキクチさんの言葉を引用しているそうですが、彼に言わせれば、デマ情報を流した人は借金をした本人、リツイートした人は連帯保証人のようなもので、重さはまったく同じなのだとか。

民事裁判の事例でも、デマ情報を流した人だけでなくリツイートだけした人も名誉毀損にあたり、損害賠償責任を負うべきだという判決が出ているそうで、「これをみなさんもよく知っていただきたい」と清原さんは主張します。

◆正義感ゆえのリツイートにも思いとどまる気持ちを

なかには正義感からリツイートをする人もいるかもしれません。しかし、清原さんは「そういうときもちょっと思いとどまってほしい」と言います。警察でさえ、裏付けとなる捜査をし、資料を集め、裁判官を説得して初めて逮捕状をとることができます。それだけに一般の人たちが情報を鵜呑みにしてしまう危険性を説き、「情報の出所が信用できるのか、じっくりと考えて(リツイートにも)責任を持っていただきたい」と清原さん。

インターネットは匿名性が高く、自分たちは守られている、正体はわからないだろうと思っている人がいますが、時間はかかっても必ず発信源を特定できる仕組みになっているそう。清原さん曰く、匿名で守られているというのは誤解なのだとか。

視聴者からは、「大手新聞社などの誤報にリツイートしたらどうなるのか?」と質問がありましたが、堀は、大手とはいえ軽々しくリツイートはしないそう。どんなメディアであれ、検証するためのひと呼吸が必要と話していました。

一方、キャスターの宮瀬茉祐子は、リツイートする人のなかには誹謗中傷目的ではなく、正義だと思って相手に自首を促すなど、真剣な気持ちで向き合っている人もいるだけに、そこをどう考えるべきなのか苦心しているようでした。

※この番組の記事一覧を見る


<番組概要>

番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

RELATED ARTICLE関連記事