TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。8月23日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、「NewsPicks」前編集長の金泉俊輔さんが“LINE証券”について見解を述べました。

◆野村證券の悲願…LINE証券の狙いとは?
LINEと野村ホールディングスは20日、共同出資で“LINE証券”を開始したと発表。スマホなどのアプリを使った証券サービスを提供することで、投資未経験者や初心者などの新たな顧客開拓を目指すとしています。
金泉さんがLINE証券の狙いとしてまず挙げたのは、LINEのユーザー数。野村證券の口座数は国内最大級ではあるものの昨年のデータでは531万。これに対しLINEのユーザー数は8,100万人と10倍以上の規模があります。顧客層も、野村證券は対面でやり取りするシニアの資産が大半を占めているのに対し、LINEユーザーは75%が若年層となっています。
今世紀に入り、野村證券はネット証券に幾度となく挑戦したもののまったく拡大しなかったとか。結果的に国内最大のSBI証券や、二番手の楽天証券の後塵を拝することになり、「いわゆるネット系証券、独立系証券に徹底的にやられてきた」と金泉さん。そんな過去の失敗をふまえ、かつLINEとの利害が一致したことでLINE証券はスタートしたそうです。
◆LINE証券の特徴は、簡単・手軽
金泉さん曰く、LINE証券の特徴は“UX(ユーザーエクスペリエンス)”。初心者が株式投資をするにあたっては、煩雑なことが多々あります。そこで、野村證券がLINEの要望を聞き、どうしたら初心者でも株に投資ができるのかを研究してできたのだそう。
そんなLINE証券が最初に簡略化したのが「商品ラインナップ」。現在国内の株式市場には日本の銘柄だけで約4,000あるそうですが、LINE証券は誰もが知っている企業など100社に絞っています。そのうえ1株単位で購入することができ、数百円から買えるようになっているそうです。
そして、もうひとつが「お気に入り」機能。株をお気に入り登録することができ、他のユーザーの「お気に入り」を見て参考にすることも可能です。金泉さんは、「株はもともと“美人投票”と言われるんですけど、それをLINEの生態系のなかでやろうというのが今回の取り組み」と言い、より手軽に株を購入することができるとか。
インターフェイスも、LINEアプリのウォレットの中に“証券”というアイコンが追加されていて、ハードルの高さを感じさせません。なお、現在はAndroid版のみでiOSでは使えないとのこと。
◆課題はあるものの…投資が身近に
一方で、さまざまな課題もあるそう。金泉さんによると、投資業界では、他人のお気に入りのようなクチコミ情報で株を買う人は、他人の意見に流されやすかったりプロに利用されたりして、勝てないという定説があるのだとか。
また、初心者がいずれ中級者となった場合、LINE証券は銘柄が少なく、できることも少ないだけに、他の証券会社に乗り換えてしまうのではないかという懸念点もあると指摘します。
とはいえ、「投資ということに関するリテラシーを高めるという意味では、非常に面白いチャレンジだと思う」と金泉さん。今後も注視していくそうです。
この日、夏休み中の堀潤に変わってMCを務めたサッシャさんは、投資することによって経済を“自分ごと化”して関心を持つことができると言います。金泉さんもこれに同意し、「企業のことや社会のことを知る上で、株式投資を勉強して実践するのは非常に大事なことの1つ」と話していました。
<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/