TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月26日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、国際弁護士の清原博さんが、吉本興業の契約問題について意見を述べました。

◆芸人の労働組合結成を
反社会的勢力のパーティーで闇営業をしたなどとする一連の問題で、吉本興業の岡本昭彦社長が7月22日(月)に会見を開きました。これを受け、お笑いコンビ・極楽とんぼの加藤浩次さんが、自らがMCをつとめる情報番組で「トップが変わらなければ吉本興業を退社する」と発言するなど、収束の気配を見せていません。
清原さんは「芸人さんはいわば個人事業主でフリーランスのような立場」とし、一連の闇営業問題について“フリーランスの働き方改革”という切り口から自身の見解を示していきます。
「加藤さんのように1人で事務所に立ち向かうのではなく、芸人さんたちの労働組合を作って団体交渉すればよかった。対等に経営陣と交渉できれば、おそらく芸人さんの待遇改善が図れたかもしれない」と清原さん。今後はそうした動きが期待されると言います。
公正取引委員会は、吉本興業が所属タレントと契約書を交わしていないことについて、独占禁止法上問題になる行為を誘発する原因になり得るとの見解を示し“問題あり”と指摘しています。
吉本興業側にも言い分があるのでは
また、吉本興業の低報酬やギャランティの配分について、一部の若手芸人たちがSNS上で不満の声を上げるなどの事態も巻き起こっています。こうした現状に「一部では9対1とも言われているが、ギャランティが低いことが法律違反になるのかどうかに焦点を当てて提言したい」と話し、次のように主張します。
不当な配分での低報酬は、独占禁止法上の優越的地位の乱用で法律違反になる可能性はあるものの「ただし、金額だけで見てもダメ」と清原さんは言います。例えば、若手芸人が出場するための劇場の確保、テレビ番組への出演交渉など「正当な理由があって会社が9割取っているなら、それは独禁法違反にはならない」と説明します。さらには「なぜ会社が高い配分を持っていくのか、吉本興業側にも言い分があると思う」とも。
説明できれば不満は出ないはず
ギャランティの配分に正当性があるのであれば、若手芸人たちに対し「あなたたちは、吉本興業に所属しているから“吉本ブランド”があるから、仕事がきている。もしあなたたちがフリーランスなら、仕事がきていないはず。“吉本芸人”だということで仕事がきている面もあるから、今は取り分が少ないけど我慢してほしい。将来、売れたらどんどん報酬が増えるから」といった具合に、きちんと説明しなくてはならないと訴えます。
そうすることで「“自分たちはそういう世界に飛び込んだんだから”と納得できるし、決して不満にはならないと思う。その説明がないから、若手芸人から一気に不満が噴出している」と語り、最後にもう一度、提言しました。
「(ギャランティの配分に)正当性があるというのであれば、その理由をきちんと説明する。それをしていないことが問題」
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/