TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月25日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の江上剛さんが“高齢者への保険販売”について見解を述べました。

◆資産形成に関心が高まる
金融庁の老後資金に関する報告書で「老後2,000万円が必要」とされている文言が大きな注目を集め、老後の資産形成について関心が高まっています。一方で、資産形成をアドバイスする金融アドバイザーのなかには、手数料や信託報酬を稼ぐために高コストの商品を売りつける手法が見られ、被害の報告が相次いでいます。
これと類似することが、江上さんのまわりでも実際にあったとか。それは、今年90歳になり、認知症が見られはじめたという義理の母のこと。心配になって訪れてみると、大手保険会社が作り、大手信託銀行が販売しているオーストラリアドルとニュージーランドドル千数百万円分の保険証書があったそうです。昨年、義理の母が自ら契約したそうですが、今となっては契約した覚えがないんだとか。
今や大手の銀行・保険会社も手数料欲しさにリスクの高い保険を高齢者に販売しており、金融庁の中でも大きな問題になっているそうです。
◆問題解消への対策は
この問題を解消するにはどうすればいいのか、江上さんはいくつかの案を示します。まずは、銀行・保険会社は手数料を求めているだけに、それを完全に開示し、消費者にわかるようにすること。
そして「契約後もきめ細かいフォローが必要」と言います。契約時の状況説明や今後の見通し、契約を解消した場合のことなど、最近の保険販売員は契約後にそういった説明やフォローが一切なく、家に来ることさえなくなるとか。それだけに、相続などに関してトラブルになることが多いそうです。
さらには、業界としても保険に関するNPO的な中立的アドバイザーや、今後ますます増えるであろうトラブルに向けた、仲裁機関の必要性を訴えます。
◆「お客さんのことを考えて売ってほしい」
江上さんによると、今は銀行や保険会社も収益が悪くなってきただけに、高齢者の不安を煽ることで高い手数料の保険を販売する“不安商売”になってきているとか。そんな現状に対し「売るなというのは極論ですが、売るのだったら、ちゃんとお客さんのことを考えて売ってほしい」と配慮を求めます。
MCの堀潤は、高齢者に保険を売る、いわば確信犯的な状況に嫌気がさしているようで「若い世代の投資環境が整うようなことに業界として傾注し、新しい投資家を育てるようなことをやってほしい」と訴えていました。
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/