「不慮の事故扱いに…」埼玉中1自殺で学校・教委の“保身”あらわに

2019.07.10(水)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月4日(木)の放送では、“先生と生徒の危うい関係性”について意見を交わしました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月4日(木)の放送では、“先生と生徒の危うい関係性”について意見を交わしました。

◆暴言認めるも因果関係認めず

さいたま市立南浦和中学校で2018年8月、1年生の男子生徒が自殺した問題で、所属するバドミントン部の30代男性顧問による部員たちへの暴言などが相次いでいたことがわかりました。

学校が実施した部活アンケートでは、「顔も悪い」「運動神経も悪い」など顧問による暴言の数々が報告されていました。また、去年5月には部の保護者会で、「子どもの人格を否定する発言があった」などとして、顧問交代を求められていました。市教育委員会は、顧問の言動について不適切な行為と認めたものの、自殺に影響した可能性については、「そうした認識は持っていなかった」としています。

学校の先生によく研修を行っている教育コンサルタントの中土井鉄信さんは、その経験から「今は生徒と先生の関係が非常に脆くなっている」と実感を述べます。

◆関係は「非常に脆くなっている」

そして、両者の関係性ついて「生徒は氷の表面、その上に先生が乗っている。生徒が先生から離反したら、先生は落ちてしまう。そういう状態の中で指導しなければならない」と現状を伝えます。

そういった側面があるだけに、先生も常日頃我慢していることが何らかの刺激によって爆発してしまう可能性は否めないそうですが、今回のケースは「この先生があまりにも幼稚で、子どもたちをうまくリードし、ガイダンスしていかなったことが問題なんじゃないか」と分析していました。

◆旧態依然の言い逃れ「無意識のうちの自己保身」

さらに、学校の先生だけでなく教育委員会についても言及します。中土井さん自身、教育委員会には「問題はしっかり公開しないといけない」と話をしているそう。しかし、「学校側は認識していませんでした」という旧態依然とした言い逃れ・隠蔽体質に嫌悪感を示し、「これは無意識のうちの自己保身だと思う」と指摘。

「自分たちのいる時代に問題を大きくしたくないという意識が働いている可能性が高い」と言い、もはや教育委員会は教師を守ることもできず、最終的に自己保身に走り「問題の範囲を無意識のうちに縮めてしまう、そういう構図だと思う」と話していました。

弁護士の三輪記子さんも、こういった問題が起こるたびになかったことにしようとする大人の態度を批判。さらには、同様のことが全国で繰り返し起こっている現状に、「現場にいる人が問題意識を自分のものとして捉えられていないと思う」と問題を提起します。そして、「何がダメかということを今一度、自分事として考えなければならない」と訴えていました。

◆学校側「不慮の事故扱いにしてください」

今回の1件は、学校側が自殺した子どもの保護者に対して「不慮の事故扱いにしてください」と相談し、合意を取り付けたという話だったそうです。

そのとき学校側は「マスコミが騒ぐかもしれない」「保護者も記者会見などをしなければならない」という話をしていたとか。キャスターの宮瀬茉祐子は「気にするところが別のところになり始めているのも問題かなと思いますね」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

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