「モラハラ」離婚理由に認めるべき…現役弁護士が民法の現状を解説

2019.07.06(土)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月2日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の山岸久朗さんが“モラハラと離婚”について見解を述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。7月2日(火)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、弁護士の山岸久朗さんが“モラハラと離婚”について見解を述べました。

◆被害が見えず証明困難

配偶者など親密な関係の間で起きる暴力の中で、モラルハラスメント(モラハラ)と言われる精神的な暴力に悩む人がいます。身体的な暴力のようにケガなどの被害が見えず、離婚時の争いでも証明が困難なだけに、さまざまな部分で問題視されています。

現在、民法において離婚原因は「民法770条1項」にある5つ原因があるときにしか、強制的な離婚は認められていないそうです。

◆「夫が加害者」圧倒的多数

①は浮気、②は配偶者を捨てて出て行くようなケースを指すそうですが「つまり、モラハラというのは、はっきりとは(民法の離婚原因に)入っていない」と山岸さん。⑤を拡大解釈すれば当てはまりそうですが、それは①~④に比肩するぐらい重大な事由のときだけだとか。

この法律は相当古いものになりますが、先に行なわれた民法改正でも改正されていないそうです。それだけに「モラハラというのは、今の日本の裁判でいうと、ほとんど離婚原因としては認められていないのが現状です」と嘆き「それでいいのか」と訴えます。

5月23日付の朝日新聞デジタルでは、モラハラの加害者・被害者の一般的な特徴が紹介されました。「加害者・夫」のケースと「被害者・妻」のケースとあり、逆転する場合もあるそうですが、夫が加害者というケースが圧倒的に多いとか。

また、モラハラはこれまで性格の不一致として扱われることが多く「この程度だったら相談しても無理だろう……」と尻込みしていた人もいたそうです。

◆「もっと国民的な議論を」

山岸さんはモラハラ加害者、被害者の特徴を紹介。弁護士としての実感から、この区分けは間違いだと指摘します。加害者側がこれらの特徴に当てはまることが多いときにモラハラが一般化し、被害者の特徴は反射的な効果であると言います。

モラハラに悩む方は多いだけに「もっと国民的議論をするべき。離婚原因として認められるようになっていいと思う」と持論を述べます。

MCの堀潤も「いろいろな事例に対してどういう処方箋が出せるのか、もっと平たい場で議論するべき」と主張しました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

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