TOKYO MX(地上波9ch)のワイドショー生番組「バラいろダンディ」(毎週月~金曜21:00~)。6月13日(木)放送の「無病息災!バラいろ健康学会 2ndシーズン」のコーナーでは、産婦人科医の丸田佳奈先生が「熱傷(やけど)」の予防と対策について解説しました。

番組放送日を含む6月10(月)~16日(日)は火薬類危害予防週間。これは、火薬類による災害・事故を防止し、公共の安全を確保する目的で、経済産業省が制定したもの。これにちなみ、今回は「熱傷(やけど)」について解説しました。
◆熱傷患者の現状
日本国内の重症熱傷の患者数は、年間2,000~3,000人ほど。東京都では300人ほどで、平均年齢は42.6歳。10歳未満が最多ですが、20~50代も多いとのこと。
◆熱傷の重症度と症状
重症度は、深度と範囲によって決まります。
皮膚は、外側から表皮、真皮、皮下組織にわかれています。熱傷深度は、表皮までだと「Ⅰ度」、真皮までで「浅達性Ⅱ度」と「深達性Ⅱ度」、最も深い皮下組織まで達すると「Ⅲ度」と分類されます。
これに加え、どのくらいの面積が熱傷を負ったかで重症度は計算されますが、「子どもや高齢者は、成人より小さい面積でも重症と判断される」とのこと。
熱傷深度Ⅰ度の場合、患部は赤みを帯び、疼痛や熱感が生じます。浅達性Ⅱ度・深達性Ⅱ度になると、患部は水疱を形成。Ⅰ度より強い疼痛や灼熱感、知覚鈍麻などに見舞われます。Ⅲ度になると、見た目は白くなり、患部は壊死。ここまでくると、いっさい痛みを感じないのも特徴です。
ただし、熱い煙や空気を吸い込むことで、気道が熱傷を起こした場合は、見た目にはわかりません。「外見上は熱傷がなくても重症の場合がある。数時間後に呼吸困難に陥り、死亡するケースも」と話します。
◆Ⅱ度以上の熱傷の原因
一番多いのは、衣服に火がつくなどの「火炎」(44%)。次点で、熱湯や油などの「高温液体」(30%)。
しかし、年齢別に見ると、15歳以下では「高温液体」が82%を占めます。この要因としては、乳幼児が、炊飯器やポットの蒸気に手をかざしたり、カップ麺や飲み物に手をかけたり、テーブルクロスを引っ張ってこぼしたりするアクシデントが挙げられます。
◆熱傷の予防と対策
注意すべきものとしては、高温の浴槽、炊飯器やポットなど蒸気、そして低温熱傷の原因となる湯たんぽ、電気毛布、カイロなど。「44℃のものを6時間皮膚につけておくと、だいたいⅡ~Ⅲ度の熱傷になる」との解説に、出演者たちも驚きの声。タイマーをつける、眠る寸前にふとんから出すなど工夫が必要です。
もし熱傷を負ってしまった場合は、以下のように対処しましょう。
1.衣類をとらずに流水で冷やす
患部が、服の袖など衣服に覆われている場合は、脱がずにそのまま冷やしましょう。氷を当てて冷やす方もいますが、凍傷の原因になることも。流水が適温のため、必ず流水で冷やすようにしましょう。
2.水ぶくれは破かない
自己判断で破くと、感染をおこして悪化することも。絶対に破かず、そのままの状態で病院へ行きましょう。
3.家庭でのラップ療法はやらない
ネットなどでよく見かける方法ですが、これも、感染のリスクが高まります。「医療機関で指示があれば大丈夫ですが、自己判断ではやらないでください」とのこと。
4.程度が軽くても迷ったら受診する
Ⅱ度以上は要受診。跡になってしまうものも多いので、「気になったら病院に行ってください」と呼びかけました。
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<番組概要>
番組名:バラいろダンディ
放送日時:毎週月~金曜 21:00~21:54
メインMC:蝶野正洋(月~木曜)、島田洋七(金曜)
アシスタントMC:阿部優貴子(月~木曜)、関谷亜矢子(金曜)
月曜コメンテーター:倉田真由美、武井壮、苫米地英人(隔週)
火曜コメンテーター:玉袋筋太郎、内山信二、安東弘樹
水曜コメンテーター:湯山玲子、遠野なぎこ、大竹まこと(月1)
木曜コメンテーター:梅沢富美男、ナジャ・グランディーバ、ダイアナ・エクストラバガンザ
金曜コメンテーター:水道橋博士、金村義明、ライムスター宇多丸、前園真聖(隔週)、デーブ・スペクター(隔週)
バーディ:大原優乃(月曜/6月)、森山るり(火曜)、梅宮アンナ(水曜)、橋本マナミ(木曜)、井上咲楽(金曜)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/barairo/
番組Twitter:@barairoMX