“速報至上主義”見直すべき…スローニュース転換を提言

2019.06.21(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月14日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、スローニュース代表取締役の瀬尾傑さんが現代社会におけるニュースとの接し方について見解を述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。6月14日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、スローニュース代表取締役の瀬尾傑さんが現代社会におけるニュースとの接し方について見解を述べました。

◆シンガポールでは政府がフェイクニュース取り締まり

先日、シンガポールでフェイクニュースに関する新法が成立しました。この法律では、全てまたは一部が虚偽、もしくは誤解を招く情報を発信した人や組織に対して、政府が削除や訂正を要求でき、応じなければ禁錮刑や罰金刑を科すことができます。

虚偽かどうかを判断する権限は閣僚に与えられており、非公開の個人的な送信も対象となります。同じような動きは他国でも広がっており、政治権力による言論抑圧につながりかねないとの批判が出ています。

番組MCの堀潤は「フェイクニュース名目で、何でもできちゃうっていう、危険性をはらんでいますよね」と指摘。瀬尾さんも「危険です、これは。政府批判を封じるということ。日本にとっても他人事ではない」と頷きます。

◆スピードばかりが求められる「ファストニュース」

瀬尾さんは、フェイクニュースを含め、スピードばかりが求められる“ファストニュース”を危惧。これは事件や事故の発表があった際、マスコミが一斉に報道を始めるもので「取材にかかる時間は短く、ある意味(費用も)安い。ほかのマスコミよりも、いかに早く出せるかが勝負になる」と説明します。

スピードの重要性に触れつつも、瀬尾さんは“スローニュース”について紹介。これは事件や事故を報じるのではなく「自分たちで隠された問題を発見すること」と説明。代表的なものが“調査報道”です。

メリットは、独自の視点で取材をするため、他人に出し抜かれることがなく、過度なスピードの競争がないこと。記事を書くためには専門的な知識を必要としますが、時間を使って取材できるため、事実誤認なども少なくなります。

◆「個人もスピード競争に巻き込まれている」

最後に「深呼吸してニュースを読もう」というメッセージを視聴者に送ります。多くの人がニュースの第一報に反応しがちですが「それをちょっと改めて、ほかのニュースや情報はどうなっているのかを調べてから発信することが大事」と呼び掛けます。

今やメディアだけでなく、個人もスピード競争に巻き込まれているとし、このままでは個人が加害者になってしまう可能性を示唆。それだけに「ちゃんと深呼吸してニュースに接することが、読者にとっても大事な時代」と話していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

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