TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。5月9日(木)の放送では、専業主婦の年金について取り上げた記事に端を発するSNS上での議論について、意見を交わしました。

◆女性同士の対立にすり替え?
小学館が運営しているWebサイト「マネーポストWEB」が5月5日(日・祝)、「働く女性の声を受け『無職の専業主婦』の年金半額案も検討される」との見出しで記事を配信。この記事がきっかけとなり、SNS上で議論が過熱しています。
その内容は、“無職の専業主婦”との表現に対して「主婦は重労働だ」との反発が多く挙がったほか、働く女性からは「全く望んでいないし、聞いたことがない」「女性同士の対立にすり替えるのは無責任だと思う」などの声が挙がっているようです。
議論の発端となった記事では、厚労省関係者の声として、専業主婦の年金について以下のような案が挙がったと紹介しています。
① 夫の厚生年金に加入し、年金保険料を支払わずに基礎年金をもらうことができる「第3号被保険者」を廃止し、妻も国民年金保険料を払う案
② 妻には基礎年金の半額だけ支給する案
③ 夫の厚生年金保険料に妻の保険料を加算して徴収する案
本件について、「毎日新聞」が新たに取材し、厚労省に確認したところ「社会保障審議会年金部会で委員の意見として同様の発言が出たものの、結論ではない」との回答があり、そもそも働く女性の声を根拠に議論していないことがわかったそうです。
作家で歌手のちゃんもも◎さんは「お金がどんどん出ていくことによって(家計が)切羽詰まって共働きになる場合もあれば、家庭環境によっていろいろなパターンがある。仕事をしているか、専業主婦かだけでは分けられないんじゃないか」と疑問を呈します。
慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんは、「議論は大いにするべきだが、今回のようなときに丁寧に議論するのではなく、すぐに対立構造を作って論争しているように持っていってしまうのが、僕たちの議論の仕方が下手くそなところ」と議論の質に触れます。
番組Twitterに寄せられた声のなかには、「専業主婦は無職ではないよ。家のなかで働くのだって労働なのに、失礼な言い方だよね。それで年金半額って、差別的な考え方」「無職の専業主婦という言葉にそこまで反応するって……。日頃の鬱憤が溜まっている人が多いのかも」といった意見も。
キャスターの宮瀬茉祐子は、年金支払いの有無で“優劣”を感じてしまう現行制度より「全員が年金を払って『私は主婦しています』と堂々と権利を得るほうが、逆にフラットでいいのではないか」と提言していました。
※この番組の記事一覧を見る
<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/