TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月12日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、介護福祉士の上条百里奈さんが、人生100年時代の介護のあり方について意見を述べました。

◆家族が無償介護すべき?
明治安田総合研究所が2018年6月、40~64歳の男女を対象に「人生100年時代の生活」をテーマに実施した意識調査で“将来、自分が認知症になった場合、家族や親族で誰が介護してくれると思うか?”との問いに、未婚者の男性56.9%、女性54.3%が「誰もいない」と回答。担当者は「今から介護施設への入居を考えている人もいるとみられる」と分析しています。
この意識調査の結果を受けて、上条さんは「そもそも家族が無償介護を当たり前にしていることが問題」と指摘。家族がいるのであれば、要介護認定を受けても介護保険サービスはできるだけ使わずに、家族が介護すべきという風潮があるようです。
◆「無関心が問題解決しない理由」
上条さんは「家族がいる、いないではなく、一人ひとりがちゃんとした老後を過ごせるような社会づくりが必要」とした上で「自分が老いについて知る体験をすることもとても大事」と訴えます。
例えば、車椅子で生活している人と一緒にレストランで食事をしてみることで「何ができて、何につまずくのか、(体験を通して)リアルにわかる。知ることが(自身にとっても)不安解消につながる」と言い、こう声を上げます。
「人々の無関心が、介護業界の問題が解決へと発展していかない一番の理由。もっと介護に関心を」
◆「たくさんの人の力を借りて」
「東洋経済オンライン」編集長の武政秀明さんは、介護をはじめ、DVや虐待など「家庭内のことなので外から見えにくい。(抱えている)問題をどのように外にオープンにするのかも考えていかなければ」と述べます。
キャスター・宮瀬茉祐子の母は現在、祖母のことを介護しているそうで「“自分の母だから最期まで面倒を”と根を詰めて介護しているのを見ると、娘の私からすると母の介護疲れのほうが不安」と心情を吐露。「そういう部分も解消していけるような社会になってほしい」と望みを口にします。
上条さんは「プロとして介護に携わっているけど、いざ自分の親を介護するとなったら、絶対に自分1人ではできない」とし、次のように締めくくりました。
「いい介護をしていくには、依存先を増やしていくことがとても大事。たくさんの人の力を借りてやっていくことが重要」
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/