TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月11日(木)の放送「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、準強制性交事件の判例から、その問題点などについて意見を述べました。

◆どうして“無罪”になったのか
名古屋地裁は4月4日(木)、虐待によって抵抗できない精神状態だった当時19歳の娘と性交したとして、準強制性交罪に問われた父親に、無罪判決を言い渡しました。
被害女性は、中学2年生の頃から性的虐待を受け続けていたことや、学費を父親に負担してもらっていた負い目から、心理的に抵抗できない状態にあったと主張。一方、弁護側は、「(被害女性には)同意があり、抵抗可能だった」と反論。検察側は8日(月)、今回の判決を不服として名古屋高裁に控訴しています。
世間では、この判決を疑問視する声も。MCの堀潤も、「いろいろな面で同意できない判決だと感じた」とコメント。
弁護士ドットコムGMの田上嘉一さんによると、父親が無罪になったのは「被害女性が“抵抗できなかった”という立証がされなかったため」。実際に抵抗できなかったかどうかは、内面的なものなので立証が難しいと指摘。
ジャーナリストの中野円佳さんも、この判決を踏まえ、次のように述べました。
「海外では、同意のない性交渉はレイプと同じだという認識の国がある。一方、日本(の裁判)では、性交渉に同意したことの証明ではなく、拒否したことの証明が問われる」
しかし、双方が権力関係(父親と子ども、上司と部下など)にある場合、権力が弱い立場の人間は拒否しづらいことも。そのような心情を踏まえず、「抵抗しなかったため合意したと捉えられるのはどうなのか」と疑問を呈します。
続けて、「見知らぬ人に襲われるような状況では特に、女性が冷静に抵抗できるわけがない」と語気を強め、次のように締めくくりました。
「法律自体を見直していく必要がある。裁判長を含め、世の中の認識を、被害者心理に合わせて考えていかなければならない」
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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/