東京に関わるさまざまな外国人の視点で東京の魅力を再発見するTOKYO MX(地上波9ch)の国際情報バラエティ番組「明日どこ!? DX」(毎週日曜13:00~)。3月10日(日)放送の番組企画「大使館★晩餐会」では、台北駐日経済文化代表処を訪れ、謝長廷代表の日台交流への思いにふれました。

◆国交は締結されないまま
今回番組が訪れたのは、港区にある台北駐日経済文化代表処。ここは、パスポート、ビザに関する領事業務などを行っており、いわゆる大使館や領事館の役割を果たしている機関です。にもかかわらず「代表処」と呼ばれるのは、日本と台湾が国交を締結していないため。
しかしここには、日本の地方都市と友好関係・姉妹関係を結ぶなど、日台のさらなる交流の推進に尽力する人物がいました。
◆台湾の民主化を推し進めた男
応接室へと案内された番組スタッフ。そこにやってきたのは、代表の謝長廷さん。台湾では「知らない人がいない」と言われるほどの人物です。
30年以上前の台湾は民主化されておらず、言論の自由などが制限されている状態でした。そんななか、弁護士として活躍していた謝さんでしたが、ある裁判をきっかけに政治家に転身。民主進歩党の結成に関わり、行政の制度改革など台湾の民主化を推し進めていきました。その後、高雄市長や、日本の首相に相当する行政院長を歴任。台北駐日経済文化代表処の代表になったのは2016年6月のことです。
着任後は、2年半かけて47都道府県すべてをまわったという謝さん。「国の友好関係の一番の基礎は“地方”」と話し、民間だけでなく、地方自治体との交流を深めることに尽力しています。
台湾と日本の地方自治体がこれまで結んだ友好関係、姉妹関係、MOU(法的拘束力がない行政同士などの合意事項)などは126におよびます。そのうち64は謝さんが着任してから締結されたもの。「政党の交代などが起きても、民間の友好関係は影響されない。国民同士が永遠に友好になるよう期待しています」と謝さんは話しました。
◆着任後、初めて向かったのは熊本
日本のイメージを尋ねられた謝さん。すると、テレビで観たという東日本大震災の光景を挙げ、「たくさんの人が列をなす給水ステーションで、マナーを守り静かに待っている姿をテレビで観た。今でも忘れない光景。日本の宝だと思う」と話します。
そんな謝さんの着任より2ヵ月前、日本では熊本地震が発生しました。謝さんが代表となって初めて向かった先は、その被災地。熊本の人たちを勇気づけようと、台湾の人々が描いた絵を届けたと言います。
◆ゲストも交え、公邸で晩餐会スタート
謝さんの日台交流への思いに耳を傾けていると、いつのまにか夜に。すると、台北駐日経済文化代表処に隣接する公邸に、サンマリノ共和国大使館の特命全権大使、マンリオ・カデロさんがやってきました。実は、取材日の2月5日は今年、春節(旧正月)にあたる時期。そのため、お祝いにかけつけてくれたのです。
カデロさん、番組スタッフも交えての晩餐会がスタート。卓上には、東京の台湾料理の名店による伝統的な春節料理がズラリと並びます。
台湾の春節料理には、欠かせない食材がいくつかあるそう。なかでも魚は、台湾で“ゆぃ”と発音し、それが「年年有餘(=毎年お金や食べ物が余りある)」の「餘(=余る)」と同じ発音であることから、縁起のいい食べ物なのだとか。ほかにも、カラスミは子孫繫栄、ビーフンは五穀豊穣などの願いを込めてふるまわれるそうです。
サンマリノ共和国も日本と同じく、台湾と国交を締結しているわけではありません。しかし、東京で出会い、日本が好きで仲良くなったいう謝さんとカデロさん。熱い友情で結ばれ、お互いの国をたたえ合うお二方とともに、おいしい台湾料理に舌鼓を打った番組スタッフでした。
次回、3月24日(日)の放送は、女優の池上紗理依さんが地中海の島・マルタを旅する模様をお届けします。お楽しみに!
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<番組概要>
番組名:明日どこ!? DX
放送日時:毎週日曜 13:00~13:27
※再放送 翌週火・木・土曜 23:00~23:27 <TOKYO MX2>
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/asudoko/
番組Twitter:@asudoko_dx