8月1日に開かれた全国知事会で東京都と他の自治体との間で議論となった人口減少対策を巡る国への緊急宣言は翌2日、決議されました。真っ向から対立していた双方の意見はどうまとまったのでしょうか。
2日に最終日を迎えた全国知事会では、人口減少の克服に向けた国への緊急宣言が決議されました。宣言の中で「特定の地域への人口集中」について触れた文言には注釈が付き、「因果関係が不明確で削除すべき」と東京都から意見があったことが書かれています。
緊急宣言を巡っては、前日の全国知事会で東京都の小池知事が「因果関係が不明確な主張を前提とした記述は取り除くべき」と発言し、「人口減少」と「一極集中」の因果関係が不明確として、文言の一部削除を要求しました。しかしこの意見に対し、他の自治体から相次いで反論が出ました。島根県の丸山知事は「『東京一極集中』ということを明確に書いて、記載するかということも俎上(そじょう)に載せて考えるべき」、三重県の一見知事は「(一極集中の)問題に対して何の意見も知事会から言わない、ということについては賛成できない」などと述べていました。
こうした流れから、最終日の全国知事会で決議された「緊急宣言」の修正案で文言は削除せず、東京都の意見を「注釈」として入れる形でまとめられました。この日、東京に戻ってきた小池知事は定例会見の中で「(人口の)パイの切り合いをしても切り方を変えても、発展を望めないと思う。むしろ、いかにしてパイを増やすかを今、議論すべきなのでは。あそこのコミュニティー(全国知事会)はちょっと違う色合いだなと強く感じた」と述べました。
今後、この緊急宣言は全国知事会で人口減少問題の対策本部長を務める鳥取県の平井知事の下で具体的な検討が進められる予定です。
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