「蒲蒲線」経済効果は初年度で約2900億円 大田区試算

2024.04.24(水)

11:10

大田区が2030年代の開業を目指す新空港線、いわゆる「蒲蒲線」について、区内の経済波及効果は開業初年度で約2900億円に上ることが区の試算で分かりました。

大田区が2030年代の開業を目指す新空港線、いわゆる「蒲蒲線」について、区内の経済波及効果は開業初年度で約2900億円に上ることが区の試算で分かりました。

JRと東急線が乗り入れる蒲田駅と、そこから東に約800メートル離れた京浜急行線の蒲田駅。大田区は、この2つの蒲田駅を結ぶ新空港線「蒲蒲線」の整備計画を進めています。

この計画では沿線の羽田空港までのアクセスを向上させることで、利用者の増加や首都圏の活性化につなげることを見込んでいて、現在は大田区と東急電鉄が第3セクターを立ち上げ事業化に向けて東京都や関係省庁と協議を進めています。先週、区は「蒲蒲線」の開業初年度の経済波及効果が大田区だけで約2900億円、東京都・埼玉県・神奈川県で約4600億円に上るとの試算結果を公表しました。

この結果に街からは…
「これが繋がることによって、もっと活性化して良いと思う」「外国人の人とかが来て、街が盛んになるのでいいと思う」

区の担当者は今回の試算結果について、「蒲蒲線の整備への理解が広がって欲しい。今後、沿線の開発の機運が高まることにも期待したい」としています。

大田区が計画をすすめる新空港線「蒲蒲線」ですが、整備されることによって羽田空港から都内では渋谷や池袋、さらには埼玉県の和光市までが1本で繋がることになります。大田区の一大計画について、街からは期待の声が多く聞かれましたが、一方でこんな声も聞かれました。

60代の男性からは「2つの蒲田駅をつなぐ商店街を歩く人が減るのではないか」という声、さらに70代の男性からは「羽田空港を使う人が蒲田に降りるとは思えない」というような声もありまして、この路線整備によって蒲田が「ただの経由駅」になってしまうのではという心配の声も聞かれました。

その中で今月大田区が公表したのが経済波及効果の試算です。大田区のみで見ると開業初年度は約2900億円の効果、東京・埼玉・神奈川に広げると約4600億円となります。さらに、開業後10年まで試算すると約1兆200億円にまで増加します。

この数字は、路線整備の建設費や路線利用者の消費などのほか、建設の原材料を扱う企業の売り上げ増加、さらには関係企業の労働者の所得増加による消費の増加なども加味され試算されているということです。

大田区は、2030年代の開業を目指す蒲蒲線の整備にあわせ、アクセス向上を最大限に生かすための魅力ある街づくりにも力を入れていくとしていまして、新路線計画と共に蒲田の街がどう変わるのかにも注目されます。

 

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