輪島朝市火災 出火原因は「電気火災」か 専門家「東京ではさらに大きな火災の可能性」

2024.02.16(金)

11:00

元日に石川県などを襲った能登半島地震。輪島市で起きた大規模火災の出火原因が「電気火災」とみられることが、新たに分かりました。こうした地震火災について専門家は、「東京ではさらに大規模な火災が起きる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

元日に石川県などを襲った能登半島地震。輪島市で起きた大規模火災の出火原因が「電気火災」とみられることが、新たに分かりました。こうした地震火災について専門家は、「東京ではさらに大規模な火災が起きる可能性がある」と警鐘を鳴らしています。

国土交通省の研究機関の調査では、石川県の輪島朝市の大規模火災で焼けた面積は5万平方メートル以上、およそ300棟が焼失したと推定されています。

(地元住民)
「なかなか消えなくて、だんだん広がっていくし、怖かった。(Q:燃え広がるスピードは速かった?)速かった。途中、バーンバーンと音もして怖かった」

総務省消防庁は2月15日、この火災の出火原因が「電気火災」とみられることを明らかにしました。

火災発生から1カ月。輪島朝市を訪れると…

(山田記者)
「大規模な火災があった輪島朝市は、今も広い範囲で手つかずの状態となっています」

なぜ、これほどまでに火が燃え広がってしまったのか。元・麻布消防署長で、市民防災研究所の坂口隆夫さんは、原因をこう分析します。

(市民防災研究所 坂口隆夫さん)
「古い木造の建物が密集していた地域で火災が起きたことが、要因としては一番大きい」
去年10月当時の輪島朝市。建物の多くは木造で、狭い間隔で建てられていることがわかります。輪島市によりますと、歴史ある市場の景観を守るため、古くからの木造の建物が多く残っていた可能性があるということです。

こうした古い木造の建物が密集するいわゆる「木密地域」では、火の回りが速いほか、建物が倒壊しやすいことも、延焼する大きな要因になるといいます。

(市民防災研究所 坂口隆夫さん)
「建物を介して隣の街区に延焼拡大してしまう。消防車が道路を通行できなくなってしまう」

さらに専門家は、東京で地震が起きた場合、今回よりも大きな火災が、複数発生する可能性があると警鐘を鳴らしています。

(市民防災研究所 坂口隆夫さん)
「輪島以上の大規模な火災が複数箇所で発生する危険性が十分ある」

都の首都直下地震の被害想定では、死者6148人のうち、およそ4割に当たる2482人が火災によるものとなっていて、特に木密地域での被害が懸念されています。

(山田記者)
「品川区の木密地域です。木造住宅が密集して立っています」

都は火災の危険性が高い木密地域の中でも、特に危険がある「不燃化特区」を都内で52地区、指定していて、中でも品川区は最も多くの不燃化特区を抱えています。

(地元住民)
「この道路は消防車が通れない。あちこちで火が出たら逃げ道がない。怖いですよ」

不燃化特区では「燃えない街づくり」を目指して、築年数などの条件を満たせば、建て替えや撤去の補助を受けることができます。

専門家は、個人でも首都直下地震に備えて対策するよう呼びかけています。

(市民防災研究所 坂口隆夫さん)
「重要なのは火災を発生させないこと。準耐火構造にする、耐火構造に建て替えていく」

住宅を建て替えるほか、外壁を耐火性の高いものにリフォームすることで、出火や延焼を抑えられるということです。そして、出火してしまった場合の対策も…

(市民防災研究所 坂口隆夫さん)
「火災が発生したら我が家の火災は我が家で消す。家族で消せなかったら地域で消す体制づくり。初期消火の体制づくりが一番大事」

初期消火活動のために、家族で消火器の使い方を確認することや、地域で訓練を行うなど、個人と地域で防災力を上げる必要があるということです。

 

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