世界で熱狂的な支持を得る日本のアニメ…世界の先をゆくも実は日本が遅れている現状とは?

2023.11.09(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、東京・豊島区にできたアニメ文化の発信拠点「アニメ東京ステーション」に着目しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜6:59~)。「FLAG NEWS」のコーナーでは、東京・豊島区にできたアニメ文化の発信拠点「アニメ東京ステーション」に着目しました。

◆東京・池袋にアニメ文化の発信拠点が誕生

豊島区・南池袋に10月31日誕生したアニメ産業・文化・観光のさらなる発信拠点「アニメ東京ステーション」。ここでは人気アニメの必殺技を実際に体験できたり、CGを使ってキャラクターになりきれたり、さらには最新ゲームの体験コーナーなどが設けられています。

視察した小池知事は、「アニメ・漫画は日本の、そして東京のキラーコンテンツですので、世界中から東京に訪れる皆様方が素敵な作品をつないでいってくださることを心から願っています」と期待を寄せます。

なお、“漫画・アニメの街”を打ち出す豊島区は、多言語でマップを作成するなど海外ファンの取り込みに注力しています。

◆いまや世界的コンテンツ…日本アニメの課題と可能性

日本が誇るコンテンツ産業の新たな動きにFridays For Future Tokyoオーガナイザーの黒部睦さんは「いろいろ発信していくことはいいと思う」と歓迎。その上で、「注目度が高いからこそ、日本の歴史などを発信する媒体として使うことも有効」と漫画・アニメを使っての日本文化の展開を提案します。

イスラエル・パレスチナ問題にあたり、黒部さんはパレスチナの歴史について描かれた絵本を日本語訳したものをSNSでシェアしている人が自身の周りに多くいたことがきっかけで「(絵本が)私が知らなかった歴史を知る機会になったように、アニメ文化も世界に浸透し、評価されているからこそいろいろと使っていくことができると思う」と黒部さん。

国際ジャーナリストのモーリー・ロバートソンさんは、いまやアニメは世界で流通する一つの言語となりつつある程の急成長するマーケットがあり、評価が上がっていると認めながらも、「日本でアニメを支えているワーカー全般、絵を描く人からアニメーター、オペレーターに至るまで低賃金でブラックな環境がある」と課題を指摘。

そこを改善していかないと「ロールクレジットが全部ベトナム語と東南アジアと中国語になってしまう」と労働力を海外に取られかねないと懸念し、「構造的に(改善するよう)もう少し働きかけをしたほうがいい」と注意を促します。

一方で、キャスターの堀潤はモーリーさんの話とはまた逆の驚くべき光景を目にしたことがあるそう。それは日本最高峰のアニメ制作会社「Production I.G」を取材したときのこと。「修士を持っている人間工学を学んだクリエイターたちが(アニメを)骨格から作っていて、だから精巧なものができあがる。本当にすごい。しっかりと人にコストをかけていた」と振り返ります。

ここまでの意見を踏まえて、獨協大学特任教授の深澤真紀さんは、「モーリーさんの指摘もものすごく重要だけれども、もうひとつ大事なのはきちんとした研究、そしてアーカイブ」と主張。海外ではアニメに関するさまざまなものが大学や美術館・博物館が保存するようになっているものの、日本ではそこまで至っておらず、「例えば、セル画を置く場所がないとか、コンテを管理できていない状況がある」と深澤さん。「(日本は)研究も非常に遅れている。学部とかも少ないので、きちんと系統だった研究が必要」と訴えていました。

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<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 6:59~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組X(旧Twitter):@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

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