脱・本離れ…新たな本の出会い方3選 斬新な発想で生まれた本のマッチングサービス

2023.05.05(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“新たな本との出会い方”をキャスターの田中陽南が取材しました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝の報道・情報生番組「堀潤モーニングFLAG」(毎週月~金曜7:00~)。「フラトピ!」のコーナーでは、“新たな本との出会い方”をキャスターの田中陽南が取材しました。

◆夏目漱石に喜んでもらうためのカレーとは?

「1ヵ月に1冊も本を読まない人が半数いる」というデータがあるなど、昨今、本離れが加速。

そんななか、本の魅力を伝えるための新たな取り組みをおこなっている所があるということで、まず田中が訪れたのは、高円寺駅から徒歩約5分の所にある「コクテイル書房」

店内に入ってみると、天井までずらっと本が並んでいて、カウンターには本とお酒が。そしてお品書きには「文学カレーの漱石」なるものも。

「コクテイル書房」の狩野さんによると、これは夏目漱石に喜んでもらえるカレーを目指して考案したメニューだそう。夏目漱石の大好物だったという牛肉をふんだんに使用し、隠し味には好物のいちごジャムと、留学先のイギリスのビールを入れ、漱石文学が描く“人の世の甘さとほろ苦さ”を表現。というのも、「コクテイル書房」は本屋でありながら、居酒屋でもあるため「本に関するメニューを出しているんです」と狩野さん。

その味わいに、田中は「すごくまろやかなカレーで、苦みもあり、これが苦悩の部分なのかとか、漱石の人生を考えちゃいますね」と感心。

こちらのお店では、このほかにも文学に関連した料理やお酒のメニューがあり、本を読みながらそれらを楽しむことができます。

狩野さんは「文学に興味がなくても、カレーを食べるのが好きな方って結構いると思う。そういう方にカレーを食べていただいて、本を読むきっかけになれば」と期待を寄せます。

◆すれ違いが新たな本との出会いに!?

続いて田中は、世界有数の本の街として知られる神保町にある「PASSAGE by ALL REVIEWS」へ。

こちらも普通の本屋に見えるものの、棚をよく見ると、猫の本だけが並ぶ棚や科学に関する本のみが並ぶ棚、有名作家の本だけが並ぶ棚など…。ここは一棚一棚に店長がいる共同型の書店。店主の由井さんは「推しの集合体というか、この本をオススメしたいっていう棚の集まり」と解説します。

店内には362の本棚があり、本を売りたい人は賃貸料を払って棚を借り、自分の好きな本を売るというシステム。

利用客に話を聞いてみると、「普段見ないような本が見られるので、楽しみに来ている」、「棚ごとにそれぞれの個性が溢れていて、見ていて面白い」などと反応は上々。北欧好きの棚主さんは「今までに行った場所や地域に関連する本だったり、自分が好きな人のエッセイを置いたりしている。わりと置いたら売れる感じはあるので、自分としても楽しい」と話していました。

◆すれ違いが新たな本との出会いに!?

最後は、スマホを使って本との出会いを提供するサービス「taknal(タクナル)」

これは人とのすれ違いを本との出会いに変えてくれるアプリで、インストールして自分のオススメの本を登録しておくと、ユーザー同士がすれ違う際にお互いオススメ本の情報を交換できるというもの。

実際に「taknal」をダウンロードし、10分ほど半蔵門を散歩してから、アプリを開いてみると、本の表紙やその本に関するコメントなどが表示。

アプリを体感した田中は、「普段は読まない海外の作家だったり、名言集をオススメされたのが面白かったですね。他の人の感想も見ながら探せるので、自分であらすじを見て探すのとは全く違った本が読めそうですね。面白いです!」と笑顔をのぞかせていました。

新たな本との出会い方の数々に、キャスターの堀潤は「すごい! 新たなマッチングが生まれそうですね!」と関心を寄せつつ、「実は僕も(共同型店舗の)棚を持っているんですよ」と告白。調布市仙川にあるシェア型本屋「1000+1BOOKs センイチブックス」で本を販売しているそうです。

“読書好き”の田中は「taknal」を日常的に活用しているそうで「(街中を歩いていると)かなり本が紹介されるので、結構な人がインストールしているんじゃないかと思います」と実感を語り、共同型書店「PASSAGE by ALL REVIEWS」については「作者名のアイウエオ順で本が並んでいても出会いにくいけど、こうして“推しが好き”という気持ちで並べてくれると、本を選びやすかった」とも。

普段から本をよく読むという株式会社ABABA代表の久保駿貴さんは、本の魅力について「先人たちの考えを学べる」と話します。ただ、どうしても自分の好きなもの、考えが近いものを選びがちで「いろいろな人の考え、オススメする本を読めるのはいいなと思う」とこうした新たな本との出会い方を歓迎。

microverse株式会社 CEOの渋谷啓太さんは、普段、必要な領域の本を情報収集のためだけに読んでいるそうで「推しの概念はいい」と心惹かれた様子。「僕は基本、本を情報収集の観点でしか読まないが、会社のメンバーなど身近にいる仲の良い人にオススメされると読もうという気持ちになるので、“推し”という概念でキュレートしていくのは面白い」と共同型書店に興味を示していました。

※この番組の記事一覧を見る
    
<番組概要>
番組名:堀潤モーニングFLAG
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:30 「エムキャス」でも同時配信
キャスター:堀潤(ジャーナリスト)、豊崎由里絵、田中陽南(TOKYO MX)
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/variety/morning_flag/
番組Twitter:@morning_flag
番組Instagram:@morning_flag

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事