交通空白地帯の解消目指す 乗合タクシー「むらタク」

2023.04.26(水)

11:30

シリーズ「池袋暴走事故から4年…進む社会のその先に」。2日目は、運転免許の返納後の生活にも役立てられる交通手段についてお伝えします。

シリーズ「池袋暴走事故から4年…進む社会のその先に」。2日目は、運転免許の返納後の生活にも役立てられる交通手段についてお伝えします。

都内の免許返納の数をまとめたグラフによると、2016年からの3年間は年間5万人以下で推移していました。高齢ドライバーによる池袋の暴走事故があった2019年は1年間で6万6千人以上が返納し、過去最多となりました。2021年は5万8千人余り、去年はおよそ4万6千人でした。

免許返納する人が増える一方で、考えなければいけないのが車に変わる交通手段の確保です。公共交通の空白地域が地域の課題となっている武蔵村山市が運用しているのが「乗合タクシー」です。

女性が乗り込んだのは武蔵村山市が運営する乗合タクシーの「むらタク」です。市の南西部に住む人たちが対象で、料金は片道300円。事前の登録と予約をすれば、8人まで乗車できます。乗り降りできる場所は全部で16カ所、市役所や病院、大型スーパーなどで、これらの場所と利用者の自宅を行き来します。

対象のエリアでは、かつてバスの利用者が少なかったため、2013年から一部のバスの路線が廃止され、いわゆる公共交通の空白地域となっていました。このため武蔵村山市は2016年から「むらタク」の運用を続けています。

市職員・長濵さん:「むらタクは自宅から目的地までそのまま向かえる点で、バス停まで行かなくていいのが一番の魅力かなと思う」

利用客数は、運用が始まった2016年度が4821人でしたが、昨年度は1万1156人で2倍以上に増えています。市は、むらタクが地域の足としてなくてはならないものになっていると分析しています。

女性客:「自宅まできて、帰りも自宅まで届けてくれる、すごい便利。私の友人も(車の)免許を返納した人たちが便利だと言っている」

女性客:「(運転)免許を返して自転車で買い物しようと思ったら、階段から落ちてケガをして自転車に乗れなくなった。むらタクがあるから助かっている」

むらタクは運転免許を返納した人たちの交通手段として、しっかりと暮らしを支えているようです。

市職員・長濵さん:「不安で免許を返納できないという人もいらっしゃるので、そういった不便な地域に住んでいる人にとって(むらタクは)必要になっているものだと感じている」

 

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