ブラックな霞が関にホワイト化の動き…改革のキーとなるのは“世論”

2021.03.16(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。「オピニオンCROSS neo」では、元厚労省官僚で株式会社千正組代表の千正康裕さんが“霞が関の現状”について述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。「オピニオンCROSS neo」では、元厚労省官僚で株式会社千正組代表の千正康裕さんが“霞が関の現状”について述べました。

◆ブラックな霞が関で人材難、その解消法は?

国会議員が委員会などの質問内容を事前に省庁側に伝える「質問通告」について、通告を早めに終わらせる動きが広がっています。これは答弁準備のための官僚の残業を解消させるのが目的で、衆参両院では各党が通告を早期に終えるよう努めることで一致しました。

千正さんは以前、このコーナーでも「霞が関のブラックな現状」を訴えていましたが、それはどういうことかといえば、国家公務員になったのに辞める人が増えていること。そして、国家公務員になりたい人も減っており、「霞が関が人材難で、政策を作る仕事がちゃんとできるのか」と危機感を募らせます。

人事院が昨年4月に入庁した官僚にアンケートを取ったところ、官僚になった理由は「公共のために仕事ができる」などが上位に。一方、優秀な人材を獲得するための施策を聞いてみると、職場全体の超過勤務や深夜残業の減縮を挙げた人が約8割もいて、千正さんは「どんな仕事でも健康や家庭を守ることは確保しないといけないし、無駄を減らして現場見学、政策の考案など本来やらないといけないことに時間を使えるような環境を作っていきたいということ」と彼らの思いを代弁します。

では、そのためには何をすべきか。まずは「無駄な仕事を減らすこと」。さらには、業務量と人員のバランスをとるための人員配置や適切な労働時間管理などの「組織マネジメント」の必要性を指摘。そして、「国会対応」が一番の負担になっていることから「国会にも協力を求めなければいけないということをずっと言ってきた」と話します。

◆霞が関の“見える化”へ…改革のキーは“世論”

ただ、昨今はメディアなどでブラックな現状が報道され、霞が関にも変化が。その改革の1つが、河野太郎行政改革担当相の「残業代を全部支払う」と表明したこと。もう1つは、コロナ禍のためオンラインでの対応の徹底化や質問通告の早期化を与野党一致で合意したこと。そんな動きを、千正さんは「大きな一歩」と評します。

このように大きな一歩を踏み出しつつある霞が関ですが、「本当に実効性があるのか」と千正さんは危惧。というのも、質問通告の早期化はこれまで何度も合意しており、そのたびになし崩し的にうやむやになっていると言い、「委員会がいつ決まり、個々の議員が何時に通告したのかデータが取れるので、それを “見える化” したらいい。そうするといろいろなことが見えてくるし、公表されるとなると、みんな“早くしよう”とすることに繋がる」と提案。MCの堀潤も、見える化が実現すれば「私たちにとって、選挙のときの材料の1つにもなるし、それこそ税金や政策が遂行されているかどうかのチェック機能になる」と賛同します。

最後にこの改革を進める上でのキーを問うと、千正さんは「世論」と明言。なかには自主的に公表している政党や議員もいるものの、「これはルール化して全員がやらないと意味がない。やりたくない人もいるかもしれないが、世の中の人が『無駄な仕事を税金で仕事をしている人にさせるな』と声をあげれば、(改革を)渋っている人も変わる」と期待を込めていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

 

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