本当に「国民のために働いている?」菅首相の新たな経済政策に苦言

2020.12.22(火)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月4日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、政策コンサルタントの室伏謙一さんが“政府が今やるべき経済対策”について述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。12月4日(金)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、政策コンサルタントの室伏謙一さんが“政府が今やるべき経済対策”について述べました。

◆ポストコロナに向け日本がやるべき経済対策は?

日本の社会経済における直近の統計データを見ると、「サービス産業動向調査」では全産業がマイナスに。「消費者物価指数」も「家計調査」も共にマイナスで、「労働力調査」による完全失業率は上昇傾向。GDP(国内総生産)の統計は、7~9月期がプラスになったものの、昨年の10~12月期以降、10%以上のマイナスが続いていたため、「結局、半分も戻っていない状況」と指摘します。

そんななか、自民党は11月末に「新たな経済対策に向けた提言」をまとめました。その柱は3つあり、1つは「新型コロナウイルス感染症の拡大防止策」で、「これは中身が薄いけど、まだいい」と譲歩する室伏さん。そして「防災減災・国土強靭化の推進等の安全・安心の確保」については「遅きに失したとはいえ、これは通年でやらなければいけないこと」と意見しつつ、問題は「ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現」にあると主張。

日本の現状に対し室伏さんは「はっきり言えば、デフレ」と指摘し、さらには構造改革で賃金が下がったことで貧困化が進んでおり、それが「少子化の要因にもなっている」と言います。政府は不妊治療対策を講じていますが「それよりも構造改革、コーポレートガバナンス改革を“やめなさい”という状況ながら、(政府は)『さらにやる』と言っている」と苦言を呈します。

◆菅首相は、真に国民のために働いているのか?

そこには「デジタル改革」や「グリーン社会の実現」、「経済構造の転換」などが挙げられていますが、「これは今やるべきなのか?」と問う室伏さん。「まずは会社を1社も潰さないようにしないといけない」と言い、「そもそも経済構造の転換なんてできるわけない」と明言。というのも、今や大企業も生産性が低くなり、向上させるためには供給を増やさないといけないのに、デフレで需要がない状態だから。

それだけに「需要を増やすためには、まず今の産業を守り、政府が公共投資をしないといけない」と力説するも、政府はこの機にいろいろ変えようとしているそうで「ショック・ドクトリンをやろうとしているのでは?」と危惧。

室伏さんは今やらなければいけないこととして、まずは「失われた粗利の100%補償」を提言。「GoToキャンペーンもいいが、それは収束してみんなが元気に活動できる、商売できる段階でやるべき話」と述べ、それまでは100%の粗利補償を求めます。そして、そのためにも持続化給付金の拡充、雇用調整助成金なども含めた包括的な給付金作りを嘆願。また、消費者だけでなく中小企業の負担にもなっている消費税をゼロに。さらには減少傾向にある地方交付税交付金も「これを戻さないと、保険医療インフラを再整備できない」と言います。

なお、これらのことは「日本の未来を考える勉強会」が提案したものの、政府・自民党は無視。「国民のために働く」というマニュフェストを掲げる菅首相に対し、「真に国民のために働いて、まずはこういうことをちゃんとやってくださいという話」と室伏さん。

公認会計士で税理士の森井じゅんさんも「経済の底上げ、みんなが使えるお金を増やしていかないといけない」と主張。そして、消費税や社会保険料などの負担軽減を訴え、「みんなの手取りを減らすことから脱却していかないと、方向性が逆」との見解を示していました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~8:00 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

 

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