少子化対策で「第3子に月6万円」案…今すべき議論とは?

2020.02.20(木)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月13日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、manma代表で慶應義塾大学大学院生の新居日南恵さんが“少子化対策”について見解を述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。2月13日(木)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、manma代表で慶應義塾大学大学院生の新居日南恵さんが“少子化対策”について見解を述べました。

◆議論すべきことが多い、現在の少子化対策

少子化対策が急務となるなか、第1子に月1万円、第2子に月3万円、第3子に月6万円というアイデアが政府内で浮上。旗振り役は衛藤少子化担当大臣で、現在の児童手当に代わり、子どもが多い世帯ほど手厚く、傾斜配分する手当を導入する予定です。しかし、財源が数兆円規模となるため、実現に向けては大きな壁が立ちはだかりそうです。

少子化対策に関しては政府でさまざまな議論がなされていますが、新居さんは「そもそも国のために少子化対策されて(子どもを)産むのか、というところの疑問も大いにある」と言いつつ、その現状について解説します。

まずは多子世帯への支援について。1夫婦から産まれる子どもの数は、2015年の最新データでは2人が54.1%で、3人が17.8%、4人以上は3.3%と続きます。

ただ、人口の均衡を示す「人口置換水準」は、合計特殊出生率を見ると現在2.07人と言われており、新居さんは「圧倒的に下回っている現状が続いている」と指摘。そこで現在は、本当は3人の子どもを産みたいものの2人しか産めないという夫婦に対して支援する方策を議論しているそう。

ただ現実問題として、MCの堀潤は「3人の子どもを育てるのは大変。お金を稼がないといけないし、保育園の数なども……」と案じます。実際、双子の子育てを支援する人たちの間では、例えば3人の子どもがそれぞれバラバラの保育園になってしまった場合の対処など、お金以外の部分の支援が懸念されているとか。

◆未婚率の増加も顕著に……

少子化対策の切り口として、「3人目、4人目を希望する人たちに対して支援していくこと」や「子どもを産みやすい環境作り」がありますが、それ以外にも「そもそも結婚を増やさないといけないというのが政府で挙がっている」と新居さんは言います。というのも、1夫婦から産まれる子どもの数「完結出生児数」は、この40年間は2人前後でほとんど変わっていません。それだけに「子どもの数がなぜ減るのかと言えば、未婚率がものすごく上がっているから」と新居さん。

特に1990年以降は増加傾向にあり、最新データでは50歳時点の未婚率は男性が4人に1人。女性も15%で約7人に1人は結婚していないという状況で、「夫婦から産まれる子どもの数を増やすのも大事だけど、そもそも結婚する人をどう増やすのか」も議論にあがっていると説明。

そこで政府は現在、交付金を付けてさまざまな取り組みを行い、例えば結婚しない理由の1位でもある“出会い”の機会も提供していますが、「この辺はいろいろ議論したほうがいいと思う」と新居さん。そして、「結婚や子育てに対して前向きではない若い人が多い中で、それらが悪くないということをどう伝えていくのか、結婚しない人が多いことにどう関わっていくのか、結婚後、夫婦が(子どもを)2人、3人望んだときにどう支援していくのか、少子化対策と言いつつ、その切り口は多岐にわたっている」と現状を訴えます。

慶応大学特任准教授でプロデューサーの若新雄純さんも自身の周りを振り返り、「(子どもを)産んでいる友達は、みんないっぱい産んでいる。1人っ子は意外と少ない」と言います。それだけに、「結婚して子どもを育てるという選択をするか、しないのか、そこの壁が大きいと思う」と実感を述べていました。

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<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/
番組Twitter:@morning_cross

 

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