TOKYO MX（地上波9ch）朝のニュース生番組「モーニングCROSS」（毎週月～金曜7:00～）。6月27日（木）放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは“森友問題”発覚当初から取材を続けてきた元NHK記者で「大阪日日新聞」論説委員の相澤冬樹さんが“森友学園問題の本質”について見解を述べました。

◆園児に「安倍首相がんばれ」は間違いだった

学校法人「森友学園」の前理事長・籠池泰典被告とその妻・諄子（じゅんこ）被告が22日（土）、香川県高松市内でのシンポジウムで講演しました。同被告は、学園が運営する幼稚園の園児らに当時「安倍首相がんばれ」と言わせたことについて「間違いだったと今は反省している」と語りました。

森友学園問題に関して、補助金詐欺で逮捕・起訴されたのは国策捜査であり、この事件の本質である国有地の安値売却から目をそらし、安倍首相に累を及ぼさないための口封じだと、一貫して訴え続けていると言います。

今なお、法廷で争い続けていますが、相澤さんは「僕は籠池さんの言うことに説得力があると思う」と評価。というのも、検察側の証人を弁護士が反対尋問で追及すると、検察の主張とは違う証言が出てくるんだとか。

◆特捜検事が異動で担当検事に

さらに、今回の法廷で相澤さんが“面白い”と語るのは、主任検事に関して。通常、特捜（特別捜査部）の検事は自分が取り調べた被疑者を公判で担当することはないそうですが、今回は籠池被告を取り調べた特捜検事が、4月の人事異動で公判部の重要事件を担当する部署に異動となり、担当検事になったと言います。

両者が法廷で最初に会ったときには、お互い笑みを浮かべていたそうで「そのやりとり、笑顔の応酬が面白い」と裏側を紹介します。

◆なぜ？ 建設会社と設計会社は不起訴

今回の問題は、大きく2つに分けられるそうです。1つは、小学校の校舎建設のために出ていた国の補助金。もう1つは、幼稚園などの運営に対する大阪府と大阪市の補助金です。

法廷では、これまで国の補助金について争ってきたそうですが、そこで見えてきたのは「これは籠池さん主導というよりも、建設会社と設計会社が主導してやっていて、それについて了承を受けたという流れ」と話します。

両社は被疑者扱いで取り調べを受けたものの不起訴となり「少なくとも、籠池さんが逮捕されるなら、なぜ建設会社と設計会社はお咎めなしなのか」と疑問を呈します。

◆結審は10月30日 今後の争点は？

今後は大阪市の補助金に関しての争いが始まります。相澤さんによると、籠池被告は「確かにもらうべきものじゃないものをもらっていた部分もある」と認めているそうですが、そもそもは「長年、大阪府が監査に入ってもクレームをつけなかったものを、なぜこのタイミングで」と疑問視。

また「これが本当に詐欺なのか（籠池さんに）騙すつもりがあったと言えるのか。騙すつもりがなければ、補助金適正化法違反になり、そうすると罪の重さが全然違う」。もし本当に補助金適正化法違反であれば、300日に及んだ勾留もできなかったそうです。

10月30日（水）の第15回公判で結審となります。相澤さんは「どう判断されるのか大注目」と今後も見守っていく姿勢を見せました。

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＜番組概要＞
番組名：モーニングCROSS
放送日時：毎週月～金曜 7:00～7:59　「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者：堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト：https://s.mxtv.jp/morning_cross/