「平成は敗北と挫折の30年」…田中康夫が経済同友会・小林喜光氏の言葉を解説

2019.05.03(金)

06:50

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月17日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが、平成の日本経済の危機的状況について意見を述べました。

TOKYO MX(地上波9ch)朝のニュース生番組「モーニングCROSS」(毎週月~金曜7:00~)。4月17日(水)放送の「オピニオンCROSS neo」のコーナーでは、作家の田中康夫さんが、平成の日本経済の危機的状況について意見を述べました。

◆「危機感なき茹でガエル日本」

「危機感なき茹でガエル日本 過去の延長線上に未来はない」(中央公論新社)の監修を手掛けた経済同友会の小林喜光代表幹事は、先日テレビ番組に出演した際、世界から見た平成の日本経済について「敗北だった」と述べました。

1989(平成元)年の株式時価総額ランキングは、複数の日本企業が世界のトップ10に入っていましたが、現在は米中の企業が占めています。小林氏はこれまでにも「茹でガエル現象(熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねますが、常温の水から加熱すると水温に慣れていくため、熱湯になったときには変化に気付かないまま茹で上がってしまう、とするたとえ話)」にあることに警鐘を鳴らしてきましたが「日本は世界的なデジタル化に遅れてしまった」と指摘しています。

田中さんは、小林氏が2015年に経済同友会の代表幹事に就任した際に「これまでの延長線上に(日本の)未来はない」と発言したのを聞き、衝撃を受けたと同時に「すごい人だと思った」と当時を振り返ります。

田中さんによると「(平成は)敗北と挫折の30年だった」と小林氏が評したことに反論する人がいるそうですが、田中さんは「日本はもっと危機感を持つべき」とする主張に賛同します。

◆世界上位50社 日本は1社のみ

1989年度と2019年度を比較した「株式時価総額 世界ランキング」を見ると、1989年は上位50社中、日本企業は32社も入っていました。ベスト10を見ても、7社が名を連ねています。ところが、2019年3月には状況が一変。上位50社中、米国が30社、中国が7社、英国とスイスが3社を占め、日本はトヨタ自動車1社のみとなっています。

防衛問題研究家の桜林美佐さんは、「(日本は)この危機的状況に気が付いていないんだなと感じた。働き方改革関連法がスタートして、これからの日本がどういう方向に向かっていくのか。“ものづくりの国”というイメージでやってきたけど、これからもそのイメージでやっていけるのか……」と先行きを案じます。

最後に、田中さんは「GDP(国内総生産)を増やしましょうと言って結局、負債が増えてしまった。『息継ぎをするような経済や政治ではないものを示すべき』と小林さんは4年間ずっと訴え続けている」と代弁。番組MCの堀潤は「自分たちの手で作り出すことを大切にして、作り出す人を大切にして、世界に視野を向けられるような、次の時代がいいなと思いますよね」と話しました。

※この番組の記事一覧を見る

<番組概要>
番組名:モーニングCROSS
放送日時:毎週月~金曜 7:00~7:59 「エムキャス」でも同時配信
レギュラー出演者:堀潤、宮瀬茉祐子
番組Webサイト:https://s.mxtv.jp/morning_cross/

 

この記事が気に入ったら
「TOKYO MX」 公式
Facebookアカウントを
いいね!してね

RELATED ARTICLE関連記事