後を絶たないSNSトラブル 専門家「親子でルール作りを」
(福祉・教育 - 2019年2月5日 18時30分)
中学1年の13歳の少女に乱暴したとして、東京・豊島区広報課長の男(56)が逮捕されました。今回、男と女子中学生が知り合った接点は、学生だけが利用できる「ひま部」というSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)のアプリケーションです。「ひま部」の登録に身分証明は必要なく、運営会社は禁止していますが、悪意があれば、年齢や性別を偽ることができてしまいます。SNSを利用して犯罪に巻き込まれた18歳未満の子どもは1736人で、内訳は、ツイッターを通じた被害が446人で最も多く、ぎゃるる136人、LINE124人、ひま部77人の順でした(警察庁まとめ,2016年)。
このように、相手の本当の姿が分からないSNSを通じた子どもたちの被害は後を絶ちません。専門家は、親子の間でスマートフォンの使い方のルールを決めることや、相談ができる関係が大切だと指摘しています。
スマートフォンやパソコンでさまざまな人とつながることができるSNSですが、街で子を持つ親に話を聞くと「怖い。親は把握しきれない」「私たちの年代だと踏み込めないところ」などといった声も聞かれます。
東京都の委託を受けて運営される、子どもたちのネット被害の相談を受け付ける窓口「こたエール」には、年間に1500件もの相談が寄せられています。相談員の宮沢八重さんは「同性だと思って裸の写真を渡してしまったところ『写真をばらまく』と脅された。結果的に相手は成人男性だったという事例もある」「相手の年齢や性別、本性、近づいてくる本当の目的は、大人でも見極めるのがとても難しい」と話します。
大人でもだまされる恐れがあるSNSを通じて、子どもたちが被害に遭わないためには、親子でスマートフォンの使い方についてルールを決めることが必要なようです。相談員の宮沢さんは「家庭のルール作りが大切。困った時には親に相談できるような親子関係が一番大事」といいます。
街で親子に聞いてみると「必ず家族がいるところで使う。相手が誰か分かっている状態で使うように言っている」(親)、「自分の安全を守るためにも自己防衛が大事なのでは」(子)、「親が(子どもの)SNSを見られるようにしている。知らない人と会わないようにさせている」(親)、「親に(スマホを)管理してもらうようにしている。極力、SNSでやりとりしないようにしている」(子)など、対策をしている声も聞かれました。
子どものネットトラブルの相談に応える「こたエール」を運営する団体は「もしSNSで何らかの被害に遭った場合、警察に相談してほしいが、抵抗があるならば窓口に連絡してほしい」と呼び掛けています。
■「こたエール」電話:0120-1-78302
(受付:月~金 午前9時~午後6時,土 午前9時~午後5時)