「池袋大仏」誕生 街の新名所になるか
(地域・まち - 2018年8月28日 18時30分)
池袋駅の近くにある寺に高さ4メートルを超える大仏、その名も「池袋大仏」が完成しました。地元の東京・豊島区は「新たな街のスポットに」と期待を寄せています。
池袋大仏と名付けられたこの大仏は、池袋駅の近くにある仙行寺が、本堂を建て替えるのに合わせて新たに造りました。大仏は高さおよそ4.6メートル、重さおよそ1.5トンで、ヒノキで作られています。寺の朝比奈文邃住職は「目指したのは、都市部にある懐かしさを感じられるような憩いの場。日々生活してたまった汚れを、手を合わせてほっとできるような場にしたかった」と話します。
大仏を手掛けた仏師の渡邊勢山さんによりますと、最大の特徴は「浮いているように見える点」で、空中に浮揚するお釈迦様を表現したということです。渡邊さんは「等身大以上になると技術的にも難しくなってくる」とした上で「後ろの壁から梁(はり)が出ていて、それに雲と仏を挟んでいる。外からは一切構造物が見えない」と造りを説明しました。
建て替え前の仙行寺は1965年にできたものでしたが、2011年の東日本大震災で柱が傾きました。このため、53年ぶりに建て替えることになり、8階建ての近代的な鉄筋コンクリートの“ビルの寺”に生まれ変わりました。建物の中には大仏だけでなく、およそ5400基が納められる室内型のお墓も設けられました。住職は「都市部にある寺の役割を考えた。モダンに見えるが、土壁、木材、自然の緑などを使い、山寺然とした優しい感じの建物にした」と話しています。
仙行寺は隣接する劇場「シアターグリーン」も運営していることから、池袋の文化発展に貢献してきたとして、豊島区の高野区長は評価し、「仙行寺は豊島区の文化の推進役。池袋大仏を知ってもらえれば、豊島区・池袋の一つの観光スポットにもなるのでは」と、池袋大仏がさらに街の魅力を高めてくれるのではないかと期待を寄せています。
池袋大仏は毎日、午前10時から午後5時まで誰でも自由に参拝できます。