TOKYO MX > ニュース > 全国初の「カスハラ防止条例」東京都議会で可決・成立 罰則規定なく実効性に課題も…

TOKYO MX ニュース

東京で暮らし
働く人のためのニュース番組

全国初の「カスハラ防止条例」東京都議会で可決・成立 罰則規定なく実効性に課題も…

都政 - 2024年10月4日 19時00分
客が従業員らに理不尽な要求をすることを防ぐ「カスタマーハラスメント防止条例案」が10月4日、東京都議会の本会議で可決・成立しました。

カスハラを禁ずる条例は全国で初めてのものです。「何人もあらゆる場においてカスハラを行ってはならない」と明記され、顧客や働く人、事業者、東京都に対し、防止に向けて取り組む責務を盛り込んでいます。ただし罰則の規定はなく、都議会では実効性への課題も指摘されていて、東京都はガイドラインを作成して周知徹底を行う考えです。この日の定例会見で東京都の小池知事は「カスハラで心が病んで、従業員が辞める状況になった例もある。どのようなプレッシャーがあって、それをどう軽減、抑止できるのか、有効に機能する方法をガイドラインに盛り込みたい」と話しました。

江東区に弁当店では3年前、深夜に酔って来店した2人組が自分で中身を出してしまった弁当を返品しようとしたため店側が断ったところ、お金を投げ付け、罵倒してきたということです。店内の映像には「いいよ、呼べよ、警察を早く。金払ったら客だろうが、こら」などとののしる様子も残っていました。

一時期はカスハラの被害を週に1、2回ほど受けることもあったということですが、東京都が条例案を打ち出したことで「カスハラ」という言葉が広まり、店への被害は減ってきているということです。店のスタッフ・渡邉さんは「カスハラという言葉が広まってきて。一般的に普及するようになったことはいいことだと思う」の話し、カスハラ防止条例の成立を評価する一方、罰則規定がないことに「完全にカスハラをなくすことはできないのでは」と懸念を示しています。渡邉さんは「特に当店の場合、夕方から夜にかけてお酒を飲んだ人など、気が大きくなってしまうと『まあいいか』みたいな感じになってしまうのではないかという懸念はある」と話しています。

都政