都議会・代表質問 午後9時までに終了へ/記者解説
都政 - 2023年9月12日 20時20分
「都議会改革」が一歩、前進です。終了時刻が午後10時を過ぎることも多かった都議会本会議の代表質問について、午後9時までに終了することが都議会の主要会派の話し合いで決まりました。
都議会本会議の代表質問では、終了が午後10時を過ぎることも多く、都議会議員からは「働き方改革が進む中で職員の超過勤務は、社会通念に反する」などと疑問視する声があり、これまで都議会の主要5会派で対応を議論してきました。その結果、代表質問については午後9時までに終了するルールを来週19日に開会する定例会から適用することをきょう(12日)決定しました。ただ、深夜まで審議が長引くこともある常任委員会については共産党の会派から「議員の質問権が担保されない」といった声があがり、今回、午後9時までに終了するルールの適用は見送られました。
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今回、決まった都議会改革について詳しく見ていきます。まずは都議会の仕組みからです。
都議会は年に4回、定例会を開催していまして、それぞれの定例会でこのように全議員が出席して開かれる本会議の 「代表質問」と「一般質問」のほか、担当する議員を割り振って所管に属する内容を審査す「常任委員会」が行われます。この中でこれまでたびたび議員から問題視されていたのが、会議の終了時間が遅くなるということでした。
今年に入ってから特に遅かったものがこちらです。都議会は基本的に午後1時に始まるんですが、今年2月に行われた代表質問は午後10時14分に終了。
中学校英語スピーキングテストについての質問が相次いだ文教委員会は日付けをまたいだ翌日の午前3時17分でしたほかにも予算の質疑や審議が行われた3月の委員会では午後11時12分、午後11時43分とこちらも深夜まで紛糾しました。
こういった事態を改善しようと今回、議員の各会派が話し合い、代表質問では「9時までに終了」ということで合意できたんですが、常任委員会では「議員の質問権が担保されない」と反対の声があがり、合意には至りませんでした。
ここからは都議会を取材する都庁担当の椿原キャップに伺います。議会が翌朝まで及ぶ日もあるということでしたが、取材する中で変化を求める声というのは以前からあったんでしょうか?
実際、去年、私が取材した文教委員会では議論が紛糾し翌朝の午前7時過ぎに終了しました。
その際にも開始時間を早めるといった措置がとれないのかといった声や終了時間が遅くなる委員会には子育て中の議員が入りたくても入りづらいといった声を聞きました。
都議会に関わる都の職員というのも同じ時間まで残っているんですよね?
都議会の職員のほかそれぞれ議論される施策に関わる職員は議会の終了時間までいる必要がありますので、超過勤務が発生しているということになります。昨年度の1年だけで常任委員会の終了時間が定時の目安、午後6時を過ぎた回数が37回で、超過勤務となった議会の職員数が延べ1097人、超過勤務の時間数はあわせて5212時間となっていまして、手当ての総額は1597万円に及ぶということです。