都営バス終点到着後、一時中学生が残される 移動優先で車内点検行わず
都政 - 2025年8月13日 19時00分
都営バスの後部座席で寝ていた中学生に運転手が気付かず、バスが終点からそのまま車庫に向かっていたことが分かりました。
東京都交通局によりますと8月6日午後5時半ごろ、都営バスが終点の品川駅港南口停留所に到着した際、乗務員が車内点検を行わず車庫に向かったところ、後部座席に中学1年の男子生徒が残されていたということです。車庫に向かう途中で中学生が起きたため、乗務員が気付きました。男子生徒の健康状態に問題はないということです。
通常、乗務員は終点のバス停到着後に車内点検を行い、乗客や忘れ物の有無を確認する決まりですが、終点到着時に後続のバスや駐車車両があったため、車内に向けて声かけだけを行い、中学生に気付かないまま終点から800メートルほど離れた車庫に向かったということです。
今回の件を受け、現在、降車用停留所には後続のバスが来ていても確認を行うよう促す張り紙を張り、注意喚起をしています。東京都交通局は「今回は車内点検を失念したものや客を閉じ込めたものではないが、引き続き、車内点検の確実な実施に努める」としています。
<バスの車内点検 ポイントは“命に危険あるか”?>
今回の件について東京都交通局は「終点に到着した時の車内点検に落ち度はない」としています。原則として終点に到着直後、運転席から移動して後部座席まで目視で乗客や忘れ物の有無を確認し、その後 車庫や始発の停留所へ移動するということです。しかし今回のように後続のバスや前方に駐車車両があった場合など、交通状況によっては移動して車庫などで点検する場合もあるということです。
また、2025年6月に全ての車両で設置を完了する予定としている都営バスの“終点に到着したら車内点検を促すアナウンスが流れる『確認ボタン』”が取り付けられたらどうするのか確認したところ、都の担当者は「状況によっては点検を後回しにして、鳴ったまま移動する可能性はある。ポイントは『客の命に危険があるかどうか』で、今後も置き去りにならない車内点検に努める」としています。