東京都 ポイント還元事業あさって終了 惜しむ声も/Tokyo : Point redemption ends the day after tomorrow.
都政 - 2024年3月21日 20時30分
東京都が行うQRコード支払いへのポイント還元キャンペーンが予定より早く終了することを受け、街からは終了を惜しむ声がある一方で、キャンペーン自体を知らなかったという声も多く挙がっています
(田中記者)
「店にキャンペーンのチラシが張られていますが、早期終了のシールが貼られています。」
このキャンペーンは、物価高騰の影響を受ける都民の生活を支援するため、QRコード決済を行った場合、
最大10%、上限3000円相当分のポイントを還元するというものです。
スーパーや飲食店のほか、理髪店やクリーニング店など、およそ35万店舗が対象で、先週月曜日から始まりました。
(買い物)
「すごい使ってます。ニュースで見たので、使わないといけないと思って一生懸命使っています。うち、家族が多くて食べ盛りなので何%でもやってもらえるならありがたい」
「お刺身買おうと思ってたまたま(キャンペーンが)使えるというので使いました。」
当初、実施期間は31日までの予定でしたが、東京都は還元額が予算額91億円に達する見込みになったとして、前倒して、あさって(23日)に終了することを発表しています。
(店員)
「QR決済で10%還元になりま~す」
品川区の鮮魚店では、QRコード決済を行う人が増えたと言いますが、キャンペーンが前倒しで終了する事については…「それを求めてくるお客さんも多かったので短いのかなと思う」
終了を惜しむ声の一方、キャンペーンについて知らなかったという声も聞かれました。
(街の人は)
「キャンペーンはご存じでした?」
「あっ、そうなんですね、知らない!お得なことは使いたいけれどアンテナ張ってないと気付かないね」
「小池知事のメッセージを感じなかった。今聞いてそうなのって感じ。」
今回のスマートフォンを使ったポイント還元の取り組みについて、経済の専門家は、物価高騰対策という目的を果たせるか疑問視しています。
(経済評論家 池田健三郎 さん)
「アナログで本当にスマホを持っていないというような、だけど非常に物価が高騰して生活が苦しいという人は端から対象にしていませんからね。ですからまずその建付けがどうなのかという議論は当然出てくると思う」
今回、東京都が行ったQRコード決済のポイント還元によるキャンペーンについて、
経済評論家の池田さんは、
「アナログでスマホを持っていない人は対象にしないというキャンペーンだ」
「それが生活支援という政策目的を達成したことになるのかは、議論の余地がある」と話しています。
東京都は、今回QRコード決済のみを対象にしたことについて、「これでキャッシュレス化を進めることも一つの目的。QR決済を使い始める人に対しては、ホームページやサポートセンターで導入のサポート体制をとってきた」としていますが、これについて池田さんは、「キャッシュレス化を進める政策としてみれば、むしろ良い政策だと考えられるが物価高対策や生活支援など、別の要素を目的とするのであれば、かえって政策目的を損なうのではないか」と指摘していて、「キャンペーンの目的や仕組みが適切だったのか、検証する必要がある」と話しています。
都はキャンペーンの効果について、「これから具体的な検証方法を考えていく」としています。
今回のキャンペーンについて、街からは、「知らなかった」という声も取材の中で多く聞かれましたし、そのキャンペーンの周知方法についても検証する必要がありそうです。