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<都議選2025>【新宿区】都議会主要会派と新勢力が激突 4議席に8人立候補

都政 - 2025年6月20日 19時00分
次の日曜日=6月22日に投開票を迎える東京都議会議員選挙の主な選挙区の選挙戦について、TOKYO MXでは連日お伝えしてきました。今回は「新宿区選挙区」の戦いをお伝えします。新宿区選挙区は定数4に対し、8人が立候補する激戦となっています。

新宿区選挙区に立候補しているのは届け出順に再生の道・新人の平良雄大さん(38)、自民党・現職の吉住栄郎さん(52)、国民民主党・新人の奥本有里さん(48)、公明党・現職の古城将夫さん(45)、共産党・現職の大山とも子さん(69)、再生の道・新人の弘田敏康さん(44)、都民ファーストの会・新人の宮本聖菜さん(34)、立憲民主党・新人の三雲崇正さん(48)の8人です。

「新宿区と東京都との架け橋となって、皆さまのより良い住みよい環境をつくる」と訴えるのは、自民党の現職・吉住栄郎さん(52)です。地元の区議と都議を務めた経歴をアピールするとともに、健康長寿社会を目指すとして、認知症対策や在宅介護の充実などを訴えます。吉住さんは「1人暮らしの高齢者世帯が特に東京は急増する。安心して暮らし続けることができる東京都を実現したい」と意気込みます。

「水道料金を安くすることにとどまらず、負担軽減となった5000円相当を電気代に回せるようにする」と訴える公明党の現職・古城将夫さん(45)は、2期の間に防犯対策などを進めてきたと実績を強調します。物価高対策が喫緊の課題だとして、現役世代の世帯年収を5年で200万円上げる公約を掲げています。古城さんは「喫緊の最重要課題は物価高騰対策。現役世代の所得、働く皆さんの収入をアップさせていく」としています。

「1世帯1カ月1万円ずつ、100万世帯に家賃補助を出そうではありませんか」と呼びかけるのは共産党の現職・大山とも子さん(69)です。都議を8期務めるベテランで「物価高から暮らしを守る」として、月1万円の家賃補助や通学定期の無償化などを公約に示しています。大山さんは「国の悪政から、例えば医療や介護を含めて都民を守るという地方自治体本来の役割をしっかり果たしたい」と力を込めます。

「小池知事と共に皆さまの命を守り、しっかりと『東京大改革3.0』を目指す」とアピールするのは、都民ファーストの会の新人・宮本聖菜さん(34)です。2人の子どもを育てる「母親」と「経営者」の2つの視点から、出産費用と育児費用の無償化などで都内の少子化対策を進めると訴えます。宮本さんは「少子化対策、しっかりと実績を作る。婚姻数の増加や子育て特区など、教育を交えてやっていく」としています。

「間違っていると思われるものは止める、軌道修正をかける。これをするのが議会本来の役割」と力説するのは立憲民主党の新人・三雲崇正さん(48)です。弁護士として企業などの事業予算に関する助言を行ってきた経験を生かし「都庁舎のプロジェクションマッピングなど、東京都の事業の無駄をなくす」と主張しています。三雲さんは「予算や事業を見る経験を持っていると自負している。都の事業をチェックする能力はある」と自信を示します。

「補助金より減税。全ての人が恩恵を受けられる減税を。取り過ぎている税収を国民・都民に返していくべき」と演説するのは国民民主党の新人・奥本有里さん(48)です。2人の子どもを育てた経験から、都内で子育てできる金銭面の余裕を生み出すため、都と国が連携して「手取りを増やす」と強調しています。奥本さんは「現実的に実現可能な減税政策を、国からも東京都からも訴えていけるのは国民民主党だけ」と訴えます。

「石丸伸二が選び抜いた42人が立候補。利権・しがらみ・裏金・党利党略のない世界を一緒につくっていきましょう」と呼びかけるのは再生の道の新人・平良雄大さん(38)です。上場企業で予算策定を担ってきた経験を生かし「しがらみのない都政」に向けて都議会でも予算を厳しくチェックすると意気込みます。平良さんは「都知事が作る予算を、皆さんが直接選んだ議員がチェックする。健全にチェック機能が働くよう訴えたい」としています。

「大久保の立ちんぼ問題、トー横キッズの問題。いま世界でも良くない意味で注目を浴びてしまっている」と話すのは、再生の道の新人・弘田敏康さん(44)です。経営コンサルタントとしてさまざまな企業の課題解決を支援してきたとして、新宿・歌舞伎町でも治安の問題を根本的に解決したいと訴えます。弘田さんは「歌舞伎町を中心とする繁華街の治安の安定化・健全化。根本的な解決策を合わせて推進していく」と話しています。

<4議席を主要会派+新勢力の計8人が競う>

新宿区選挙区では、都議会に議席を持っていない勢力が議席を獲得できるかどうかも焦点の一つとなります。

前回=2021年の都議選と比較してみます。4年前は11人が立候補し、この時に議席を獲得したのは共産・公明・都ファ・自民の4人でした。一方、今回の選挙では共産・公明は現職が引き続き立候補、都ファは候補を換えて新人が立候補しています。また、自民は前回2人が立候補して1人が当選していましたが、政治資金不記載の問題などを受け、今回は候補を1人に絞っています。立民は前回と変わらず新人の候補を1人擁立しています。

そして新勢力としては国民民主党から1人、再生の道から2人が出馬していて、主要会派の現職に食い込んでいけるかどうかが焦点です。

<歌舞伎町の治安とイメージ回復策は>

新宿区選挙区で有権者に「街の課題」について聞いてみると、マナーを守らない人がいることや、治安の悪さを指摘する声が上がりました。さらに、夜の街・歌舞伎町のイメージが悪いという声も聞かれました。

歌舞伎町の治安とイメージ回復策について各候補に聞いてみました。平良さんは「若者が犯罪に巻き込まれない対策をした上で、違法な店舗は行政が摘発・適切な処分を」、吉住さんは「コロナ禍で新宿のイメージが悪くなったのでは。悪い印象ではなく良い面をPRすべき」、奥本さんは「広告の宣伝カーが走るのが迷惑。トラック広告の規制を行う」、古城さんは「若者の孤独・孤立対策として都内の居場所づくりに取り組む」、大山さんは「居場所がない若者の居場所づくりと相談できる場所づくり」、弘田さんは「ボランティア団体と提携しながら、行政で根本的な解決を目指す」、宮本さんは「トー横に集まる若者に、売春以外の収入手段を知ってもらうよう働きかける」、三雲さんは「ホストクラブなどを規制し、人が集まる状況を変えるべき」と訴えています。それぞれ似た課題意識を持っているものの、若者への居場所支援、稼ぎ方の支援、不適切な店舗の規制などさまざまな意見が出ました。

全42選挙区で127の議席を目指し、295人が激しい選挙戦を繰り広げた東京都議会議員選挙は、6月22日の日曜日に投票日を迎え、即日開票されます。

■都議選・新宿区選挙区(定数4,届け出順・敬称略)
平良雄大(38,再生・新)
吉住栄郎(52,自民・現)
奥本有里(48,国民・新)
古城将夫(45,公明・現)
大山とも子(69,共産・現)
弘田敏康(44,再生・新)
宮本聖菜(34,都ファ・新)
三雲崇正(48,立民・新)

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