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日本で歴史長い「定年制度」外国人どう思う?

その他 - 2025年8月23日 18時00分
日本のニュースや課題を海外の人たちはどのように見るのか、中国出身報道部記者が世界から多くの外国人が訪れる東京で聞きました。今回のテーマは「定年制度」です日本の定年制度は100年以上の歴史がありますが欧米諸国では多くの国で制度がありません。外国人が定年制度についてどう思うのか、そして自国の状況についても聞きました。

定年退職を英語に訳すと…「マンダトリー・リタイアメント・システム」…「マンダトリー」は強制「リタイアメント」は退職という意味で、「定年退職」とは労働者が一定の年齢に達したことを退職の理由とする制度のことです。

Q:定年制度は必要だと思いますか。
アメリカから:「必要ないと思います、自分が働きたい時に働き始められるべきだし、自分がやめたいときにやめればいいと思ます」
Q:日本に定年制度があることについてどう思いますか。
カナダから:「正しくないと思います。年齢を重ねることで多くの経験や知識を持ち寄れるからです」「給与は年齢ではなく、その人が会社や組織にどれだけ貢献できるか、利益をもたらせるかで決まるべきです」
インドから:「全ての人が家族に支えられているわけではないし、独身の人もいます。もし健康で働けるなら年齢で強制的にやめさせるのはよくないと思います、生活費はどんどん上がっていて、安くはないので」

多くの人が定年制度は必要ないと答えていて、年齢で人材の価値を判断すべきではない、そして世界的な物価高による生活費の高騰なども理由として挙げられました。

多くの国の人が必要ないと答えた定年制度…こちら世界銀行の資料を見てみると定年制度を導入している国を色付けして表していて導入しているのは主にアジアやアフリカ、南米の一部で、ヨーロッパや北米では多くの国が制度を導入していません。一方、定年制度について理解を示す人もいます。

イタリアから:「人々は年をとったら人生を楽しむべきだと思います。だから働かなくてもよいという選択肢があるのはのは良いことだと思います」
スペインから:「結局、高齢になると生産性は以前ほど高くなくなります、会社は成長していかなければならないし、生産性を上げるためには新しい人材を必要とします」

続いて自国の状況を聞きました。

Q:あなたの国には日本のような定年制度はありますか。
インドから:「いいえ、ありません」「インドには「50歳や55歳で必ず」退職しなければならない」という政府の強制的な制度はないですがインドでは60歳を超えて働く人はほとんどいません」「理由の一つは健康問題だと思う、年齢を重ねると体力的に長時間働き続けるのが難しくなる人が多いです」

アメリカから:「私たちは定年制度がありません」「年齢差別禁止法があるから、もし会社が年齢を理由に退職させれば弁護士をつけて訴えることができ、会社は多額の賠償金を払わなければならないのです」
Q:それは文化的な理由ですか。
アメリカから:「はい、その側面が大きいと思います。アメリカでは自由が重視されるので、年齢や性別などで差別されない自由があります」

定年制度がないものの、一部の職種で年齢期限を設けているケースがあります。
アメリカから:「私は警察関係で働いているので少し違い、私の職場では59歳が定年です、ただし別の機関に移れば働き続けることはできます、完全に辞める必要はありません」

一方、日本と似たような定年制度を持つ国も…
フランスから:「ある年齢になると退職しなければならない制度があります」「ただし、69歳までは「勧める」だけで、70歳になると会社は「必ず退職してください」と言うことができます」「すごく高齢にならないとできないし、もし早すぎる場合は会社を訴えることもできる、私たちには「CDI」と呼ばれる契約があって、その契約に入ったら、会社は大きな過ちを犯さない限り解雇できません」

(2025年8月22日放送「おはリナ!」より)

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