インターネットのトラブル解決を装う「サポート詐欺」で400万円をだまし取られた男性がTOKYO MXの取材に証言しました。パソコントラブル解決を装い、言葉巧みに金銭がだまし取られた悪質な手口を証言から見てみます。
東京都内で会社員として働くAさん(64)は今年1月下旬、「サポート詐欺」でおよそ400万円をだまし取られました。サポート詐欺の手口は、パソコンの画面上にうその警告などを表示して連絡させ、解決のサポートを装う指示を出して金をだまし取るというものです。男性は「2、3日は寝られなかったし、家の人には言えないし。本当に思い出したくない」としつつ、経緯を話してくれました。
被害に遭ったAさんは「パソコン苦手だがWi-Fiがあるからちょっとつなげてみたいなと思って、自分でやってみた。そしたら急にドンと警告音が鳴って、画面いっぱい3画面ぐらい警告画面が立ち上がって、パソコンをいじらないでくださいと表示が出た」と振り返り、突如大きな音とともに警告などと書かれた表示が出て、画面の操作ができない状態になったといいます。そこで、表示されたパソコンメーカーのサポート窓口を名乗る電話番号に連絡し状況を説明すると、警告の表示が消えたということです。男性は「『安心しました。ありがとうございます。これで終わりなんですね』と(電話口に)言った」と当時の状況を語りました。
しかし、それで終わりではありませんでした。
サポート窓口の担当者を名乗る男は「パソコンがウイルスに感染しています。これから全て消していきますから安心してください」と話し、Aさんは電話口の男に言われるがまま、パソコンとスマートフォンにアプリをインストールしたといいます。すると、メールの受信ボックスに700件ほどに上る迷惑メールが届き、それらを1件ずつ消すように指示されたといいます。Aさんは「(男が)一番危ないのがネットバンキングですからね。それも今、全部やられちゃいますからと言った」ということで、Aさんが迷惑メールを削除する間、男は「ウイルスを除去するからインターネットバンキングのアプリには触らないように」と強く言ってきたということです。
すっかり男を信頼して指示に従っていたAさんでしたが、しかし電話から聞こえてきたのは、伝えていないはずのAさんのネットバンキングのパスワードを口にする男の声でした。Aさんはここで「なぜそんなことが分かるのかなとちょっと不審に思ってアプリを開いたら、399万9999円全然知らないところに振り込んだ形になっていた」といいます。
1件ずつメールを消している間にパスワードを盗まれだまされたと気が付いたAさんはすぐに110番通報をして警察に相談し、銀行にも振り込みの取り消しを求めましたが400万円は戻ってきませんでした。
Aさんは「2、3日は寝られなかったし、家の人には言えないし。本当に思い出したくない。パソコンを触るのも嫌な感じ。いろいろ(パソコン上で)正しいもので『アップデートしてください』という通知も来るが見られない。更新を本当にやっていいのかどうかも分からない」と話しています。
<「サポート詐欺」被害者の9割が50代以上 被害に遭わないためには>
Aさんが400万円をだまし取られた「サポート詐欺」の実態について見てみます。
警視庁によりますと2023年からの3年間を見てみると東京都内の「サポート詐欺」の認知件数は年々減少傾向にあり、去年=2025年は69件でした。しかし被害額はおととし=2024年の9000万円から増加に転じ総額1億6000万円となっていて、1件で1億円を超える被害も確認されているということです。また、被害者のおよそ9割が50代以上で、中でも70代が最も多かったということです。
では、被害に遭ってしまった場合、どうすればいいのでしょうか。
警視庁によりますと「警告画面」が出た場合は慌てずにブラウザを終了し、画面に表示された指示には従わないでほしいと呼びかけています。また、もしも遠隔操作されてしまった場合にも慌てず、無線LANを切断するなどインターネットへの接続を切断することで、遠隔操作を中断させることができます。
そして、被害に遭わないためには「ソフトウエアを更新して最新の状態にしておく」「ウイルス対策ソフトの導入や定期的なウイルススキャンを実施する」などの対策が有効だとしています。