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中野区議選0.415票差の議員“当選無効”高裁で一転当選

その他 - 2023年12月15日 20時25分
1枚の投票用紙を巡り、判断が分かれました。4月に行われた中野区議選で最下位で当選し、東京都の選挙管理委員会から当選無効と判断された議員が取り消しを求めた裁判で、東京高裁は当選扱いという判決を下しました。
4月の中野区議選で最下位で当選した伊佐哲郎さんが、東京都の選挙管理委員会を相手取って起こした裁判がきのう(14日)東京高裁で開かれました。中野区議選を巡っては井佐さんと0.415票差で落選した田中裕史さんが、投票結果に異議を申し立て、票の数え直しを求めましたが、中野区の選管は、これを棄却…しかし都の選管は投票用紙を点検した結果、票数が逆転したとして井佐さんの当選を無効と判断。井佐さんが、これを不服とし、訴えを起こしていました。
0.415票という1票以下のわずかな票差を争った今回の裁判…争点となったのは「いさしんいち」と書かれた1枚の投票用紙でした。
都選管は…「井佐候補の名の哲郎とは全く類似性がなく、その名を誤記としたものとは認めがたい」 として、当選は無効と主張しましたが、
判決で東京高裁は…「候補者に「しんいち」や他の「いさ」と言う人物はおらず、伊佐氏に投票する意思で名前を誤記したと推認できる」として当選扱いだとする判決を下しました。これに対し都選管は、「判決の内容を精査して適切に対応していく」と説明しています。
今回の判断に井佐さんはこちらの訴えが認められて良かった。今後については都選管の反応を見て判断したいとコメントしています。一方、次点で落選した田中さんは…
田中さん:「疎外感もありますし、自分の中では憤りみたいなものもありました。正直な所覆るとは私も思っていなかったものですから、基準ってやっぱりどうなってるんだろうかっていうのは気のなるところではありますね。」
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一枚の投票用紙を巡る今回の経緯を振り返ります。
まず4月の中野区議選で最下位で当選したのがこちらの井佐哲郎さん。次点で落選したのが田中裕史さんでしたが、2人の得票数の差はわずか0.415票だったんです。このため落選した田中さんは票の数え間違いがあった可能性があるとして、中野区の選挙管理委員会に異議を申し立てました。そして区の選管はこれを棄却し、井佐さんの当選は有効だと判断しましたが…次に都の選管に異議を申し立てると…一転して、井佐さんの当選を無効にするという判断が示されたんです。ではなぜ、判断が分かれのか、原因となったのがこちらの「いさしんいち」と書かれた投票用紙です。
中野区はこれを有効票と判断したんですが、都は無効だとしました。この結果を受けて、今度は当選していた井佐さんが都の裁決の取り消しを求めて訴訟を起こし…
きのう(14日)東京高裁はこの投票用紙を有効と判断し再び井佐さんが当選ということになりました。今後はこの判決に対し都の選管が上告するかどうかが焦点となります。
当選と無効という異なる判断が示されてきていますが、井佐さんの区議としての仕事はどうなっているんですか?
この騒動の最終的な結論はまだ出ていないので、裁判が終わるまでは井佐さんは中野区議としての職務にあたるということになっています。こうして見ますと改めて投票する際にはしっかりとわかりやすく、名前を書いて一票を投じたいと感じます。

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