世田谷 認可外保育施設で男児死亡 園長「経営難で ずさんだった」
事件・事故 - 2024年2月7日 20時00分
世田谷区の認可外保育施設で生後4カ月の男の子が亡くなっていたことが分かりました。取材に応じた施設の園長は、経営難などを理由に保育がずさんだったと認めました。
「男の子が死亡したのは世田谷区にある保育施設です。現在、施設は休園しています」
世田谷区などによりますと去年12月…区内の認可外保育施設「託児ルーム・バンビーノ」に預けられていた生後4カ月の男の子真渚己ちゃんが、部屋で意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院でなくなりました。乳児が死亡したことについて施設の園長は…
託児ルームバンビーノ野崎悦生園長:「信頼して預けてもらったのにこのようなことになってしまって、お詫びの言葉も申し上げる言葉もありませんという気持ち」
園長によりますと当時、施設では0歳から2歳の乳幼児9人を預かっていて、保育士の資格を持つ園長と資格を持たない2人の臨時職員が対応していたということです。しかし…園長が別の仕事で25分ほど外出した後、施設に戻ると…
託児ルームバンビーノ野崎悦生園長:「(戻ると)スタッフの女性に「真渚己くんの顔色悪くないですか?」と言われて、あわててわきの下に両手を入れて抱き上げた」
真渚己ちゃんは意識を失っていて、病院に搬送されましたが、死亡が確認されました。
「その時の態勢は申し訳ないが覚えていない。ただ仰向けではなかったと思う」「多分うつぶせだったと思う」
乳幼児の寝かせ方については国のガイドラインで医師からうつぶせ寝がすすめられている場合以外は仰向けに寝かせることが重要と記されています。そしてうつ伏せ寝は睡眠中に乳幼児が死亡する「乳幼児突然死症候群」や窒息などによる事故のリスクが高まると指摘しています。しかし園長は、この施設では経営難から職員らに十分な研修ができず、普段から人出も足りない中で「ずさんな保育」が常態化していたと話します。
託児ルームバンビーノ野崎悦生園長:「仰向けで寝る子もいるが、中にはうつぶせでないと寝ない子もいた」「そういう子は「しょうがないよね」とうつぶせで寝かしつけるのは すみません…私は…認めていました」
一方、認可外の保育施設で起きた今回の件についてきょう(7日)の世田谷区議会で、認可外保育施設を指導する立場である区の対応をただす質問が出ました。
桜井委員:「子どもと向き合っていく仕事をしている現場がなぜこれをないがしろにしていたのか それをさせていたのは世田谷区ですよ」
区ではこの事態を受け、男の子が死亡した保育施設に立ち入り調査を行っていて▼施設に対し施設の職員にうつ伏せ寝の危険性について研修することや▼窒息防止のためのマニュアルを作成し、区に報告することなどを求めています。